第1115号 やっぱり負担増だった!
国会では予算委員会がスタートし、本格論戦が始まりました。
能登半島震災対応と政治とカネの問題がクローズアップされていますが、物価高と実質賃金減少が続く中で、「国民のおサイフ」の問題も大切な争点です。
◆1世帯24000円の可能性も
6日の質疑では、一人当たり月500円弱の医療保険料への上乗せ徴収で、子育て支援の財源を賄うことを総理が表明しました。
総理は、「増税ではありません」「賃上げと歳出改革によって実質的な負担は生じない」などという詭弁でごまかそうとしていますが、どんな屁理屈を言おうと、結局は強制的に追加徴収される点で、国民負担増そのもので、増税と同じです。
総理は負担増に関して国民一人当たりという言葉でごまかしていますが、負担を国民全体で割るのではなく、医療保険料を負担している人の数で割れば、特に現役世代の負担はさらに膨らみます。
加入している医療保険組合によっては約1000円の負担になるという試算もあり、その場合は1年で12000円の負担増となり、共働きならばさらに2倍の24000円になる可能性があります。
世帯によっては、消費税に換算すると0.5%の増税に匹敵するといった試算もあり、家計にとっては痛すぎる負担増になります。
岸田総理は昨年秋、税と社会保険料の負担から成る国民負担率をこれ以上上げないようにすると表明しましたが、新しい上乗せ徴収が始まってそれが今後も増え続けていくならば、国民負担率も上昇し続ける未来しか見えません。
◆実質賃金はまだ下がる
総理は賃上げにより実質的な負担は生じないと説明していますが、実質賃金は21か月連続でマイナスが続き、しかもプラスに転換する見込みが全く立たないのが現状です。
さらに、昨年1年間の実質賃金は2.5%マイナスと、1990年以降では、消費税が増税された2014年に次ぐ大きな落ち込みとなりました。一部の景気の良い輸出型大企業の賃金引上げが話題になっていますが、中小零細企業や疲弊した地方企業では、物価高に追い付くだけの賃金引き上げがままならない状況です。
◆中小企業支援と賃金上昇を
マクロ経済を見ると、昨年末以来の株価急上昇により、あたかも景気は好調であるかのようであり、投資ブームを煽るような報道も見かけますが、投資で主に儲かるのは、もともと資産を持っている層であり、多くの皆さんには縁のない話です。
また、上場企業のわずか5%程度に過ぎない大会社で構成された日経平均株価で景気を計ることは今や不可能です。全体のパイが広がっていた昭和の時代は、経済を引っ張る大企業が潤えば、その恩恵が中小企業まで下りてくるという関係も見られました。しかし、今は必ずしもそのような関係にはありません。
例えば中小企業が賃金を上げたくても、今後の取引関係に悪影響となることを恐れて、大企業に価格転嫁を持ち出すことが出来ず、賃金アップの原資が得られないという事態が多く発生しています。
結果、労働者の賃金は増えず、経済も成長しません。立場の弱い中小零細企業が、労働者への賃金アップ分を価格交渉の場に出すことができるようになるための綿密なフォローアップ等の支援を、国が前面に立って行う必要があります。
大企業と中小零細企業のいびつな関係を是正し、公正な市場を築いてこそ、多くの労働者の賃金が増加し、全体のパイも広がります。
パイも広げずに負担ばかり増やすよりも先に、やるべきことはあるのです。
スタッフ日記「二月三日」
毎年2月3日は節分で恵方巻きといわしを食べて「鬼は外、福は内」と言って豆まきをし、今年1年も健康に過ごせるように願い、悪いものを追い出す行事とされています。
毎年恵方巻きは家で作るのですが、今年は友人から「娘が恵方巻きを作るから買わないで」と連絡があり、話をしていると「今年は3日が節分やけど2日や4日になる時もあったらしいで」と言われて、えっ?と思わず考え込みました。
幼いころから節分は3日だと思っていたので「なんで?」と友人に聞くと、「節分は立春の前日やから立春の日が変わる時は節分の日も変わるからや。ちなみに来年は二月二日やで!」と教えてくれました。
話は続き、巻き寿司やいわしを食べるようになった由来を聞くと「巻き寿司と違うで、恵方巻きや!巻き寿司の中の食材は何種類でもいいけど恵方巻きの中には七福神にあやかって7種類の縁起が良い食材を巻くんや!」と言われました。
それぞれの材料にも意味があるけれど、長くなるから恵方巻き届けたときに説明する、と言った上で、「ちなみに鰯は関西だけの風習で、鰯を焼くときに出る煙と匂いが鬼を寄せ付けないと言われているからで、玄関に鰯の頭をひいらぎにつける『ひいらぎいわし』は鬼が嫌いな葉っぱと鬼が嫌がる臭いの組み合わせで鬼が家に入ってこないようにと魔除けになっているんやで」とさらなるミニ知識を追加してくれました。
なるほど、わかりました。もう充分です。まさかの友人の節分マニアっぷりに、恵方巻は友人の娘に届けてもらいたい、友人が来ると恵方巻きの材料の意味を聞かなければならんぞ…とちょっと困惑しています。(ブースカ)