第1114号 政治家の逃げ得を許さない

2024年2月3日 (土) ─

 26日から始まった通常国会では、総理の施政方針演説の前に政治とカネを巡る集中審議を行うという異例の幕開けとなりました。

◆まずは実態解明
 集中審議では、岸田総理は逃げに徹し、なぜ裏金が必要で、いったい何に使われてきたのか、裏金に関わった政治家がどう責任を取るのかは明らかにされませんでした。

 例えば自民党から二階元幹事長に渡っていた「政策活動費」は5年で約50億円とされます。このような巨額のカネを1人の政治家が収支の報告もせず使ったのだとすれば、国民が疑問を持つのは当然です。

 こうした実態を明らかにしないままでは、改革の議論など始められません。まずは、裏金に関わった議員と、受け取った額などを明らかにしたリスト提出が先です。

 その点をはっきりさせないと予算や法律改正の議論にも入れないという姿勢でわれわれは国会に臨んでいます。

 そして、検察の捜査が終結したとされる以上、もはや捜査中なので答えられないという言い訳は通用しません。裏金に関わった政治家を全て洗い出して真実を語らせ、徹底的な事実解明をしなければなりません。

◆派閥解散は偽装
 総理自身の姿勢も大いに問題です。裏金問題から派閥解消へと論点をすり替えたあげく、集中審議では「裏金の定義を確認しないといけない」などと答えたり、政策活動費の廃止に対して言及を避けるなど、逃げに徹しました。

 さらに、派閥解消も麻生派が解散しないなど中途半端にとどまっています。

 また、自らが率いた岸田派についても、事務手続きをどうするか、いつ解散するかも決めていません。会計に残る7800万円超の繰越金を解散後をどうするかも決めていないとのことで、山分けにされる可能性が残ります。財産だけ山分けにして、ほとぼりが冷めた頃に「政策集団」として復活するなら、派閥解散など偽装そのものです。

◆最も厳しい改革案を提示
 立憲民主党では、政治改革実行本部会議を設け、党としての政治改革案を検討し、①政治家本人の処罰強化、②政治資金の透明性の確保、③政治資金パーティー及び企業・団体献金の禁止、の3つを柱とする改革案が了承されました。

 ①では、政治家と会計責任者の連座制に加え、政治資金隠匿罪を新たに創設すること、②では、収支報告書のデジタル化と政治資金の外部監査の強化に加え、政策活動費を禁止すること、③では、政治資金パーティーを全面禁止し、企業団体からの寄附を禁止した上で、個人の寄附への税額控除を抜本拡充することを示しています。特に今回の中心的論点であったパーティーの全面禁止の是非については、私も会議で禁止を強く主張しました。結果として全面禁止が採用されたことは、大きな前進だと考えます。

 政治資金パーティーに関して各党案を比較すると、自民党は派閥が主催するパーティーを禁止する案で、これでは個人の政治資金パーティーは開催し放題となり、企業団体との癒着もそのままで、何の意味もありません。

 また、日本維新の会は、政治資金パーティーは許容し、企業団体のパーティー券購入を禁止するという案を示していますが、個人への販売が可能なら抜け道だらけになり、また今回のような問題が起こりえます。

 国民の不信は、政治家が本来の活動そっちのけで金儲けのためのパーティーに明け暮れていることに向けられていることを考えると、全面禁止しかないのです。

 その点で、立憲案は他党よりも遥かに前を走る意欲的な案だと自負しています。

 

スタッフ日記 「エスティローダーのお礼」

 オシャレと縁遠い私が持っているエスティローダーのリップは、白地の本体に桜と私の名前が彫られた装飾がなされています。

 2年前の3月終わりから4月後半にかけての1か月、私は石川県にいました。参議院の補欠選挙の応援に入っていたのです。春とはいえ、夕方になると気温が10℃を下回る現地の気候に冷え性の私は恐れおののきつつ、金沢市を拠点に、小松市や津幡町、七尾市や輪島市などをひたすら歩く毎日でした。

 厳しい戦況で秘書の応援がなかなか集まらず、といった状況もあり、石川県連、特に県連代表の石川3区の近藤和也代議士やご家族、そして秘書の皆さんには大変良くして頂きました。

 エスティローダーのリップは、その近藤代議士の奥様から頂戴したものです。私が4月に誕生日を迎えるということを知り、大学生の娘さんと相談しながら選んでくださった、と伺いました。

 応援とはいえ、たったひと月だけ来ている秘書にそんなに気を遣って頂いたことが嬉しく、またありがたく、今でも大切な時だけ使うようにしています。

 石川3区は七尾市や輪島市、珠洲市などまさに能登震災の中心地の選挙区です。近藤代議士は現在、自らも避難所で暮らしながら、復興のために走り回っていらっしゃるという話を聞いています。

 地盤である七尾市を歩いた時には、実直で温かい人柄を褒める方が多かったのが印象的で、それはあの補欠選挙の時の私たち秘書軍団に対する接し方とも合致します。

 今の状況では遠くから心配することしかできませんが、物流や通信が再開したら、どうにかしてあのエスティローダーのお礼をできないかと考えています。(シズ)

第1114号 政治家の逃げ得を許さない