臨時国会は13日に閉会しましたが、自民党派閥裏金問題は収拾がつかない事態に陥り、岸田内閣の支持率は各調査機関で軒並み過去最低を記録、政治の混乱は深まる一方です。

◆地方の衰退は深刻
　岸田内閣の経済財政政策は迷走し、国民の信を失っています。また、経済面では物価高が庶民を苦しめ、ビッグモーターやダイハツの不正が発覚するなど、市場の歪みが次々明らかになりました。

　あらゆる面で社会が行き詰まりを見せていますが、最も大きな問題は地方の衰退が加速していることです。コロナ禍により、一時は東京など大都市から離れて地方で働こうとする動きもありましたが、結局、東京一極集中に回帰しているのが現状です。

　地方は、経済活動を担う働き手が不足し、住民がサービスを受けられない状況が生じています。例えば、地域交通です。

　ローカル鉄道は次々廃線が検討され、路線バスは減便・路線廃止の嵐です。来年は、労働時間の上限規制の施行により、一層働き手が不足する「2024年問題」が発生します。不便な地方から東京など大都市に移住もしくは進学・就職しようとする流れはますます強まるでしょう。いかに地方を維持し、成長させていくかは待ったなしの段階です。

◆ライドシェアで地域交通確保
　この問題意識で11月に立ち上げたのが、超党派のライドシェア勉強会です。

　地方にとって、生活のための足を確保することは、その地で住民が暮らし続けるために必要不可欠です。今までのように実態に合わない規制を続けていては足の確保はままなりません。地域に眠っている人的・物的資源を最大活用することが必要です。

　勉強会ではスピーディに議論を重ね、13日に、一定の要件を満たす事業者による自家用車と普通免許を持つドライバーを活用した新たなライドシェア制度の創設等を斉藤鉄夫国土交通大臣に申し入れました。

　これを受け、政府も20日、ライドシェアを来年4月から一部解禁する方針を打ち出しましたが、地域の足の確保のために十分な効果を持つかどうかはこれからの議論次第です。年明けの通常国会で消費者目線、地域の目線を重視した具体的な提案を行い、よりよい制度が作れるよう力を尽くしてまいります。

◆東京と対峙した田中角栄
　また、12日には党内の勉強会として、「田中角栄研究会」を有志とともに立ち上げました。なぜ今田中角栄？と思う方もおられるでしょうが、テーマは地方の成長にあります。

　田中角栄元総理は、雪深い新潟の農村に生まれて小さいころから東京と地方の格差を目の当たりにし、なんとか地方を発展させようという信念の下に政治家を志しました。そして、後に日本列島改造論で、地方の発展を実現することになります。

　地方選出とは名ばかりの、東京で生まれ育った世襲議員ばかりが幅を利かせる現在、地方の目線から発展を考えることができる国会議員は減少の一途をたどっています。

　ライドシェアなど、地方をいかに発展させていくかを考える上で、あらためて田中角栄氏の考え、政策、実行力など、人物像を浮き上がらせることは、大きな指針となると考えます。

　また、田中角栄氏は、私が少年時代、演説をテレビで聞いて政治家を志すきっかけとなった人物でもあります。時代を切り開くエネルギーや人の心を掴む演説など、氏の個人的魅力にも迫ってみたいと考えています。

　それでは皆さん、良いお年をお迎えください。

 

スタッフ日記「あれから60年の室生寺」

　我が身をば高野の山にとどむとも心は室生に有明の月

　先日室生寺にお参りして、弘法大師が詠まれたというご詠歌を60年ぶりに思い出しました。子どもの頃に何度もお参りした室生寺は春や秋にはうってつけのハイキングコースでした。あれから60年。月日の経つのは早いものです。

　お寺の付近は昔のままで、安堵すると同時に、なつかしさがこみ上げました。

　国宝の五重塔は台風で大きな損傷を被ったものの、2年後には立派に修復されたと聞きました。今年も雪が少し積もった頃、石段の下から塔を眺める参拝者の心を癒してくれるでしょう。

　お参りをした日は小雨が降り、紅葉がほんの少し色づき始めていました。雨の室生寺はロマンチック、傘に雨のしずくが垂れる音が時折ポツンとするだけ。

　五重塔からさらに奥へ、杉木立に囲まれた険しく急な階段を上がると、弘法大師像を安置する御影堂があり、当初はそちらにお参りする予定でした。しかし、雨の中、足元も悪く、断念。奥之院の方角に手を合わせ、室生寺を後にしました。

　実は国宝の金堂でおみくじを引き、家に持ち帰りそっと見るのを楽しみにしていました。

　後日大事に持ち帰ったおみくじは小吉。大吉より小吉？良かったと思ったのも束の間、「驚く事あり」の文言が。その一行に驚き、その日からいつか、いつかと気になっていました。そして先日ようやくその時が来ました。

　本当に驚くべき出来事でした。中身は内緒…うっふっふ。（ムーミンママ）