パーティー収入の不記載問題は自民党議員に続々と疑惑が広がり、収拾がつかない事態となっています。

　関わった人数、不記載の巨額さ、大物議員の関与など刑事事件としても深刻であるのに加え、この件に関するマスコミの追及に「頭悪いね」と述べた谷川弥一議員や、マスコミの前でいち早く不記載が派閥の指示であったことと、その件についてのかん口令の存在を「自白」して注目を集める宮沢博行防衛副大臣など、呆れるばかりの展開が続いています。

◆なぜ安倍派だけなのか
　14日の段階で派閥ぐるみの違法行為の疑いがかかっているのは安倍派と二階派です。

　特に安倍派は、自民党最大派閥で99人もの議員を擁し、森、小泉、安倍、福田、第2次安倍と、今世紀に入ってからのほとんどの期間の総理を輩出してきました。その絶大な権勢を誇る巨大派閥が派閥ぐるみで記載の義務を怠ってきたのです。

　やましいことがなければ記載すれば良いだけの話なのに、それをしなかったことは、権力の維持と裏金作りに深い関係があったのではないかと勘繰らざるを得ません。

　安倍総理が亡くなられて以降、統一教会と安倍派議員の関係や、裏金疑惑が次々噴出してきました。栄華と裏返しの不正があったのか、疑惑は徹底解明しなければなりません。

◆更迭、更なる混乱へ
　一方、岸田内閣支持率は軒並み過去最低を記録し、最新の時事通信の世論調査では17%にまで低下しています。

　これは自民党政権では、かつての麻生政権以来の低い支持率です。

　最新の自民党支持率はまちまちですが、だいたい30%程度なので、「内閣支持率＋与党第一党の政党支持率が50%を下回ったときは政権を維持できない」という経験則から来る法則が当てはまる事態になりつつあります。いよいよ、安倍派のみならず、岸田内閣、そして自民党政権の崩壊が始まっていると感じます。

　最大派閥の安倍派と岸田総理との暗闘もささやかれています。

　総理は裏金疑惑を機に安倍派を政権内から一掃し、主導権を握ろうとしたのかもしれませんが、結局更迭は安倍派の大臣・副大臣だけにとどまり、政務官の多くは留任となる見込みです。

　これも自民党内部の派閥力学による駆け引きなのでしょうが、国民生活にとっては何の関係も無い内輪の揉め事であり、全くの茶番を見せられているに過ぎません。しかも二階派にも捜査が入るとの報道があり、更なる混乱は必至です。

◆総理を代えても一緒
　大混乱の内閣、与党ですが、この後の展開は容易に予想がつきます。

　疑惑の人物は役職辞任や離党でお茶を濁し、人気が地に落ちた岸田総理を適当なタイミングですげ替えて、国民受けの良さそうな新総裁に「自民党を改革する」などと適当な演説をさせて解散総選挙を行うことになるでしょう。

　いくら不正に手を染めても、選挙直前に総裁を代えて疑似的な政権交代をアピールすれば、次の選挙でも自民党は安泰と考えているのならば、国民をなめきっているとしか言えません。　裏金疑惑は岸田総理個人の問題ではなく、自民党の中に深く根差した構造的問題です。体質を変えず、総理という顔だけを代えても中身は一緒で、延々と政治とカネ、権力腐敗の関係は続くでしょう。この構造を断ち切れるのは有権者の行動だけなのです。

 

スタッフ日記「今年の漢字」

　今年の国会も本日で閉会。年の瀬です。1年の締めくくりに、今年の漢字が発表される時節となりました。

　今年の漢字、1位は「税」！消費税、所得税、ふるさと納税、など生活に直結しているこの一文字。まぶちNEWSでも取り上げる回数が多かった漢字です。政治が湯水のように消費している税金。無駄にされている金額があまりに大きすぎて、実感が湧いてこないこともあります。

　わたくしも恥ずかしながら、ちまちました事（特売日、クーポンの期限）は気になるのですが、意外と大きな無駄（衝動買い）や小さな無駄遣い（使わないサブスク）は結構見過ごしてしまいます。

　2位は「暑」。暑かったです、今年の夏。最近も12月半ばとは思えない気候、地球温暖化が加速しているのではないかと心配になってしまいます。熱中症対策でエアコンをつければ二酸化炭素の排出を増やしてしまう。生活していく中での不安材料です。

　3位から4位は「戦･虎･勝･球」と続く漢字群。近畿地区の熱気が思い出されますね。

　ちなみに岸田首相は問題を克服する、などの「克」だそうです。本日内閣不信任案が提出され、自民党に内在していた問題が明らかになってきています。現在の国会事務所は「転」といったところでしょうか。一同2024年に向けて変化を予想し、年末年始の準備を進めています。

　末尾となりましたが、スタッフ日記初登場です。今月初より国会事務所で働いております。遠い昔、奈良事務所におりましたが、新たな気持ちで努めてまいります。(ななリターンズ)