第1086号 マイナ保険証、大混乱

2023年7月8日 (土) ─

 マイナンバーカードの混乱が収まりません。制度そのものへの国民の不信感も高まり、全国の自治体で返納が相次いでいます。街をまわって皆さんのお話を聞いていても、特に保険証に対する不安の大きさを感じます。

◆7割の医療機関でトラブル
 カードのトラブルで最も深刻なのは医療です。マイナ保険証の資格確認システムを導入した医療機関のうち、都道府県によっては7割もの機関でトラブルが報告されているという調査もあります。

 具体的には、保険証が使えないとして窓口で10割負担を求められた例や、コンピューターで「濱」や「澤」といった旧字体が表示できなかった、髪を少し切っただけで顔認証が通らなかった等、便利になるという触れ込みとは裏腹に、コストと手間ばかりがかかり、利用者にストレスが貯まるトラブルが続出しているのです。
 
◆セキュリティに必要?
 トラブルがあまりに多いため、これまで通りの保険証とマイナ保険証を2枚セットで持参するよう呼びかけている医療機関も多くありますが、それならば従来の保険証1枚で使える制度を続ければ良いだけの話で、そちらの方がよっぽどシンプルです。使いまわしを防ぐというなら、従来の保険証に顔写真をつければ済む話なのです。

 しかも猛烈な批判を受けて、来年秋の保険証廃止は変わらないが、カードを持たない人には保険の資格を確認する証明書を送るという、それならば保険証をそのまま使えるようにすれば足りるまわりくどい対応策を打ち出してみたり、あげくの果てにはイメージの悪化したマイナカードの名前を変えることも「議論の対象」(河野太郎大臣)という発言が飛び出したり、もはや何のためのカード導入か分からない状況です。

 特に、トラブルによって、健康という、生きる上で最も重要な事柄を危機に晒していることは大きな問題です。

◆まずは保険証廃止の延期!
 また、医療情報は、とりわけ大事な個人情報です。

 主要先進国のG7で、国民番号を確認できるICチップ付きのカードを健康保険証として利用できる制度を導入している国は日本以外にありません。

 これは、医療情報というのが、個人の病気という極めて保護の必要性の高い情報であり、別に管理する必要があるという考えがあるためでしょう。

 相次ぐトラブル、そして情報管理への不安の高まりの中で、保険証を廃止して、事実上強制的にマイナンバーカードに一体化させるのは拙速に過ぎます。 そもそも法令上、マイナンバーカードの取得は任意であるに拘らず、保険証を人質に強制的にカードを取得させようとするやり方は法的な整合性も取れません。

 今やるべきは、ミスが続出する中で強引に保険証廃止に突き進むのではなく、今まで明らかになった不具合を検証し、医療機関の意見も反映させて新しい制度を設計し直すことです。そのためには、来年秋の保険証廃止を撤回し、延期することが必要です。

 与党のみならず野党の中にも予定通りの保険証廃止に賛成する党がありますが、わが党は保険証廃止をいったん延期する法案を準備し、次国会に提出の予定です。

 医療の安心は、生活の基本であり、絶対に侵されてはならないものです。安心して保険医療を受けられる仕組みを守っていきます。

 

スタッフ日記:「7月25日」

 日本の三大祭といえば、京都の祇園祭、東京の神田祭、それから大阪の天神祭です。

 その天神祭本宮の夜、大川(旧淀川)に多くの船が行き交う船渡御(ふなとぎょ)が行われる奉納花火の夜、私は誕生しました。

 天神祭は学生時代からの仲間たちと毎年行く恒例行事でもあり、誕生日でもあり、ということで7月になると何故か気分がワクワクしてきます。

 船渡御の中打ち上げられる花火を観終われば奈良に戻って、友人の父が営む居酒屋で、友人たちが私の誕生日を祝ってくれました。年に一度の自分が主役の晩餐会です。

 十代からのイベントも、当たり前ですが、それぞれが結婚し家庭を持つと、仲間が一人減り二人減り、と寂しくなって行きました。

 そんな時も過ぎ数十年、今年の梅雨入り翌日、携帯電話に懐かしい友からの声で連絡があり、来月の25日にプチ同窓会をするから必ず出席するように、火曜日だけど皆揃ったから絶対に来るようにとしつこく念を押されました。

 場所を聞けば、今は友人が父から引き継ぎ営んでいるあの居酒屋。集まったメンバーはまさに天神祭に行った仲間たち。

 ありがとう友よ!もう何も聞かなくてもわかりました。 「プチ同窓会」と言いながら30年以上前に恒例だったあの日を思い出させてくれて、持つべきものは友だと改めて感動しました。

 当日、心の汗は我慢しなければと今から気持ちを落ち着かせています(笑) (ブースカ)

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