第1078号 働けど働けど…

2023年5月13日 (土) ─

 厚生労働省が発表した統計によると、実質賃金はここ12か月連続で減少しています。つまり、多少賃金が上がっていても、激しい物価高には全く追い付いていないということであり、まさに石川啄木の短歌、「はたらけどはたらけど我が生活(くらし)なお楽にならざり」という状況そのものです。

◆奈良県は近畿ワースト1
 もともと奈良は決して好調とは言えない経済状況でした。2019年度の統計によると、1人当たり県民所得につき、奈良県は近畿で最も悪い全国36位、下から12番目です。また、最低賃金も近畿ワースト2の時給896円にとどまっています。

 財務省近畿財務局奈良財務事務所によると、1月から3月までの奈良県内の経済情勢は「持ち直している」とされますが、物価がうなぎ上りで賃金が伸び悩む中、国の「大本営発表」を額面通り受け取るわけにはいきません。

 事実、奈良県は最新の発表で、財務省と同じ時期(1月)の県内の景気判断は「悪化」を示している、としていますし、こちらの方が庶民の実感に近いのではないでしょうか。

 コロナの一段落による観光客回復などのプラス要素はあるものの、新年度を迎えても物価高はおさまらず、今後の防衛・子育てを隠れ蓑にした大増税への不安が待ち受ける中で、人々は支出を絞っています。少なくとも奈良県においては、景気は回復中、などと言える状態ではありません。

◆食糧費と教育費が減少
 全国に目を向けると、食料品への支出は前年に比べてマイナス1.7%、教育費がマイナス16.7%となっています。値段が上がっているのに食料品にかける金額が減っていることは、相当の買い控え、つまり買いたくても高くて手が出ない状況が発生していると思われます。

 また、教育費は、子育て世帯にとっては本来最も削りたくない支出の一つですが、これだけ減少しているということは、子どもの将来よりも「今、食べていくこと」を優先せざるを得ない、厳しい家計の世帯が増えているということが伺えます。

 いくら岸田総理が異次元の少子化対策として子育て支援を打ち出しても、日々の消費支出を絞らざるを得ない物価高と低賃金を解消できなければ、全くの焼け石に水です。

◆ホントに大増税?
 このような経済情勢ながら、増税の足音は確実に忍び寄っています。19日からの広島サミット後の電撃解散も囁かれていますが、総理は遅くとも今年の秋までには増税を隠したまま解散を断行して総選挙に勝利し、その後で何食わぬ顔で大増税決行というシナリオが見えています。

 物価高で日々支払うお金が高くなれば、自然と支払う消費税も高くなります。つまり、「見えない増税」はすでに始まっています。この上増税などとんでもありません。

 財務省は税金を取れれば良いと考えているかもしれませんが、庶民を絞ればいくらでも取れるというのは、江戸時代の悪代官の考え方そのものです。民を疲弊させ、肥えるのは代官だけというのなら、江戸時代と何も変わりません。減税で経済を活性化させるという発想が無いのです。

 冒頭の石川啄木の歌は、「ぢっと手を見る」で結ばれていますが、手を見つめたところで生活が楽になるわけではありません。増税を止め、生活を守ることが第一です。もはや選挙の争点は増税か否かに絞られつつあると感じます。

 

スタッフ日記「どうも、『ストップ!!ひばりくん!』です」
 はじめまして。4月から国会事務所で働くことになった、東洋英和女学院大学4年の学生です。出身は東京の目黒区で、世田谷区育ちですが、今年から鎌倉に引っ越し愛犬とふたり暮らしをしています。

 昨年の大河ドラマで脚光を浴びた鎌倉ですが、本当に素敵なところで毎日幸せに過ごしています。何より素敵なのは、駅に着いてホームに降りた瞬間です。

 海の匂いがスッと鼻に飛び込んできて、思わず微笑んでしまうような幸せな気分になり、片道1時間半、往復3時間の長時間通勤の疲れも、どうでも良くなってしまいます。

 自然も豊かで、朝起きて窓を開けると鳥のさえずりがうるさいほど聞こえてきます。

 今の季節はウグイスの「ホーホケキョ」がだいたい5秒に1回くらいは聞こえ、その他にもイソヒヨドリやとびの鳴き声など、様々な鳥たちのおしゃべりを聞きながら、「はぁ、なんていいところに住んでいるんだろう!」と幸せのため息が溢れます。

 奈良も自然豊かなところという印象があるので、選挙の手伝いなどで伺える日をとても楽しみにしています。

 ところで、先日代議士が打ち合わせで「これからの未来を背負う若者にフォーカスした政策を打ち出す必要がある」と発言していました。

 働く前は、日本の政治家は自分や党の利益しか考えていない人ばかりだと思っていたので、若者のこれからを考えてくれる議員がいる事にとても感動しました。

 今はスタッフとしてですが、この先もずっとファンとして応援し、陰ながら支えていきたいと思っています。どうか宜しくお願い致します!(ストップ!!ひばりくん!)

第1078号 働けど働けど…