第1036号 小麦の価格は下げられる!
食料品や日用品などの物価の高騰が止まりません。帝国データバンクの調査によれば、今年に入ってから5月末までの間の半年間に1万品目以上が、そして7月8月は合計3000品目以上、9月に入っても1000品目以上の値上げが予測されているとのことで、残念なことに「値上げの夏」という言葉が半ば定着しつつあります。
◆値上げの象徴・小麦
今回の値上げの代表格はやはり小麦と言えるでしょう。パンやうどん、パスタなど主食となる食料品からお菓子に至るまで、多くの食料品の原料となる小麦の値上がりは、家計だけではなく、コロナ禍を経てようやく立ち上がろうとしている事業者の皆さん方をも強く圧迫しています。
実は輸入小麦は政府が買い付けを行って、製粉会社に売り渡しする仕組みが取られています。売り渡し価格の改定は4月と10月に年2回行われますが、昨年10月は19%、今年4月は17.3%のアップと急激に上昇しています。
実はこの売り渡し価格は、単なる買い付け価格ではなく、政府の管理経費や国内産小麦の生産振興に使われるために一定額が上乗せされています。買い付け価格の上昇自体は世界的なインフレや大輸出国であるロシアとウクライナの戦争の影響が色濃くあると言えますが、予算措置で国費を投入し、上乗せ価格分を吸収すれば、製粉会社への売り渡し価格は引き下げられるのです。
岸田総理は15日の記者会見で、輸入小麦の売り渡し価格を9月まで据え置き、10月以降も急騰している状態であれば必要な措置を講じると述べましたが、要は様子見に過ぎません。今のままでも十分高い値段を下げるための政策の実行こそ必要なのです。
◆ガソリン対策もヘンだ
ガソリンに関しても同様です。政府の対策は石油元売り業者への補助金です。これにより、確かに一時期の急激な値上がりは収まりましたが、まだガソリン価格は高止まりをし、車がなければ成り立たない地方の生活を圧迫しています。その一方、大手石油元売り業者は史上最大の利益を上げています。これでは一体誰のための補助金だったのか?と言われても仕方がありません。一般消費者のため、ガソリン減税による更なる値下げが必要です。
◆物価高と戦う
私たちは今回の参院選で「物価高と戦う」という姿勢を鮮明に打ち出しています。
輸入小麦の上乗せ価格分の引き下げの提案やガソリン値下げ法案の提出など、値下げを目指す対策だけでなく、直接消費を喚起するための「消費税減税法案」を6月10日に提出しました。
消費税の減税は、特定の事業者ではなく、すべての消費者に補助金を出すのと同じ効果が得られます。消費税を減税し、国民の暮らしを立て直している間に、税制を抜本的に見直し、法人税や所得税の見直しによる再分配重視の税制に作り替えることを目指します。
国民を守る、生活を守るのは政治の最大の仕事です。知恵を絞り、汗をかき、やらない理由を探すのではなく、やれるためにどうするのかを考える、その姿を皆さんにご提示していきたいと思います。