第1026号 消費税「増税」阻止へ!

2022年4月2日 (土) ─

 30日、立憲民主党は、議員立法「インボイス制度廃止法案」を国会提出しました。

◆経営に致命傷のインボイス
 インボイス制度は来年、2023年10月1日から導入されることが決まっている制度です。たいへん分かりにくく、イメージがつかめない名称となっているインボイス制度ですが、多くの中小零細事業者やフリーランスの方にとって事実上の「大増税」となる制度です。

 直接関係するのが消費税の扱いです。事業者が消費税を納税する際は、仕入れにかかった消費税額を控除できます。これまでは、控除を受けるための書面は不要でした。ところが改正後は、適格請求書(インボイス)という書面を売り手が取引の際に発行し、買い手が保存しておかなければ控除が受けられなくなります。この点、膨大な事務作業が発生するものと見込まれています。

 また、インボイスを発行できるのは、「適格請求書発行事業者」に限られ、この「適格請求書発行事業者」になるためには、登録を受けて消費税を納付する事業者になる必要があります。そして、今まで消費税の納付を免除されてきた課税売上高1000万円以下の事業者は、インボイスを発行できないとなると、相手方が取引をするのを避けることが見込まれるので、事実上、登録して消費税を納めることが必須となります。

 つまり、今まで消費税の納税を免税されてきた売り上げの小さい中小零細事業者やフリーランスの方の多くは、消費税0%から10%へと一気に大増税されるということになり、ただでさえコロナ禍と物価上昇で経営が厳しい中、経営に致命傷となることが想定されるのです。約500万者とされる免税事業者が次々と廃業を余儀なくされれば、当然、経済状況は大幅に悪化するでしょう。

◆増える税率と対象範囲拡大
 このインボイス制度は、消費税を国税の中心と位置付けてきた平成30年間の財務省の堅固な方針をさらに進めるものです。

 平成を通じ、消費税は税率と課税対象範囲の2つの面から、「増税」を続けてきました。税率は当初3%だったのが、最終的には10%へと上がってしまい、対象範囲は、当初課税売上高3000万円以下の事業者は免除されていたのが、今では1000万円以下となっています。そして、今回インボイスが導入されれば、免税事業者は大幅に少なくなることが見込まれ、消費税の課税対象範囲はさらに拡大されます。長期的に見れば、次に打ち出されるのは税率のさらなるアップでしょう。まさに、消費税によって収入の少ない方が苦しめられる社会へとさらに進んでいくのです。

◆まずは増税にストップを!
 われわれは、この流れになんとしてもストップをかけなければならないと考えて、インボイス制度廃止法案を提出しました。4月に入り、ウクライナ戦争や円安でさらに生活物資は高騰し、日々の消費も控えざるを得ない状況です。

 まず、インボイス制度の廃止で増税の流れを断ち切り、そして生活再建のための消費税減税や生活困窮者への給付を組み合わせた経済政策を党の今後の政策の目玉とすべく、党幹部として取りまとめに動いていきます。

 

スタッフ日記 「18歳から大人」

 4月から146年ぶりに「成人年齢」が変わり、18歳以上が「成年」となります。

 20歳以上が成年というのは、明治9年の太政官布告に遡りますが、今では世界の多くの国が18歳以上を成年としており、遅ればせながら世界標準に合わせようという意図があるようです。

 ところで、なぜ明治初期に成年を20歳としたかについては、はっきりしないものの、西洋諸国では21歳以上を成年とする例が多く、それにならったのではないかとする説があります。

 ただし、当時の日本人の平均寿命は43歳に過ぎず、働くのはもちろん、結婚も10代でするのが普通のことでした。当時は社会慣習として10代半ばくらいで大人扱いをしていたようで、そのことを考慮して、西洋より若干若い20歳を成年としたのではないかとも考えられています。

 法律の規定は別として、何歳くらいを「大人」扱いするかは社会の意識で大きく変わると思いますが、今はどうでしょうか。

 明治時代に比べれば平均寿命は倍に伸び、ほとんどの子どもが高校まで進学する中、18歳だとまだまだ大人ではないな、と考える人も多いのではないでしょうか。逆に、大人扱いされる年がどんどん伸びていくのは、子どもにとっては幸せなことなのかも知れません。

 ともあれ、法律上は成年となる18歳以上の皆さんは、いち早く実現している選挙権行使も含め、アクティブに活動して行ってほしいと思います。ただし、飲酒や喫煙、公営ギャンブル等は今までどおり20歳にならないと出来ないので、そこはお忘れなく!(アタリ)

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