第1018号 コロナ支援の活用を!
コロナ感染第6波は、ピークが見えないまま、拡大が続いています。感染力の強いオミクロン株に対し、政府は迅速な措置が取れず、対策が後手に回ってしまった感は否めません。
◆ワクチン一本足打法の限界
遅れが決定的なのはワクチン接種です。1月末時点で、ワクチンの3回目接種実績は、全国民の3%程度にとどまり、OECD国中で最下位です。第6波への備えは最優先課題でしたが、昨秋の一時的な収束傾向の中での政府の緩みと危機管理能力の欠如により、ワクチン戦略が遅れてしまったことは明らかです。
そして、今から接種を加速したとしても、大部分の国民が接種して抗体が出来るまでは月単位でかかることは確実で、現在の大流行への対策としては遅すぎます。感染が急拡大するオミクロン株のようなウイルスに対するワクチン一本足打法の限界が明らかになったと言えます。
オミクロン株は比較的重症化率が低いとされており、医療のキャパシティもあり、自宅療養が中心となります。その場合、即効性のある飲み薬による対応が鍵を握ります。現在、飲み薬の供給が十分ではなく、国産の飲み薬の実用化も遅れている状況ですが、飲み薬の安定供給にこそ全力を尽くすべきです。
◆コロナ独自の位置づけ
大流行を受け、感染症法上のコロナの位置づけについて、扱いを季節性インフルエンザと同等に引き下げるべきとの主張がくすぶっています。
しかし、コロナが今後どのような変異を繰り返すか分からない状況で、検査や治療を通常のインフルエンザ並みに適応させてしまうと、仮に毒性の強い変異種による第7波、第8波が来た場合、対応が困難になることも想定されます。収束が見えない今の段階で、「ただの風邪」扱いにするのは危険です。
ただ、多くの感染者が軽症か無症状にとどまるオミクロン株を、SARS(重症急性呼吸器症候群)のような致死率の高い感染症として対応し続けるのにも限界があることも事実です。かねてより主張してきたように、既存の感染症のカテゴリに拘ることなく、今後の変異種対応も見据えた柔軟な対応が可能となるように、新型コロナ独自のカテゴリを設けることが必要なのです。
◆事業復活支援金活用を
感染防止と経済の安定は両輪です。繰り返される感染の波により、飲食店だけではなく、多くの事業者が危機にあります。とにかく急場をしのいでもらうために、昨年来、特定の業種への協力金だけではなく、幅広い事業者への再度の給付金が必要と強く主張してきましたが、このたびようやく個人事業者と法人を対象にした「事業復活支援金」が実現し、1月31日から申請が始まっています。苦しい事業者の皆さまは、当面、事業をつなぐため、給付金を活用して頂ければと思います。
ただ、この給付金は、例えば個人事業主には上限30~50万円の給付にとどまるなど、金額的に不足しているのに加え、複雑な申請書類の提出や審査は変わっていません。我々は、給付上限の倍増や、給付を迅速に行うための体制の整備などを規定した法案を国会提出しました。法案への反対や、全く異なる対案を出すだけではなく、政府法案の「足りない」ところを補い、より良い制度に変えていくことも、提案型野党に必要な姿勢です。1年かけてようやく実現した支援金と同じく、粘り強く、追加支援の実現を目指します。
スタッフ日記 「思い出の巻き寿司」
この季節になれば思い出す懐かしの一品。ふと、もう一度食べたくなるのは祖母が作ってくれた巻き寿し(恵方巻き)です。節分の日に限らず、運動会や遠足まで子供たちが食べたい時にはいつも必ず用意してくれました。
幼少期に、私が巻き寿しの作り方を教えてもらおうと台所へ行くと「男の子やのに料理をしたいんか?」と驚いた様子で顔を覗いてきました。当時はまだ料理は女性が作るもの、という考え方が残っていた時代。それでも大好きな海苔の香りに誘われて傍へ来た私に、祖母はなんだか嬉しそうでした。
しばらくして、祖母は今日の晩御飯は巻き寿しにするから一緒に買いものに行こうか、と声をかけてくれました。
近くの八百屋まで歩きながら「巻き寿し(恵方巻き)は婆ちゃんが結婚してから住んでいた大阪が発祥やで、節分に食べる巻き寿しの具に7種類使うのは七福神様から福をもらう意味があって、太巻きは鬼が忘れた金棒、それを食べることから鬼退治するってことやで」と聞き、自慢げに話す祖母の嬉しそうな表情はいまでも思い出されます。
三つ葉・かんぴょう・卵焼き・桜でんぶ・えび・しいたけ・たけのこ。
祖母の巻き寿しの7種類の具です、若い頃から祖母と一緒によく料理をして味つけも覚えていたので、今年の節分は母にも祖母仕込みの巻き寿しで驚かそうと10本もの巻き寿しを作りました。
1日早く娘と母親で北北西を向いて黙々と丸かじり。後で子供に聞いたら「バァ、目をまっ赤にして巻き寿し食べてたで」と聞かされました。おばちゃんありがとう。 (よっちゃん)