第1016号 国民の声を届ける国会に

2022年1月22日 (土) ─

17日、コロナ感染第6波が押し寄せる中、第208回通常国会が開会しました。

◆まん延防止措置は必要か?
 急速なコロナ感染拡大は全国に及び、いまや多くの都道府県がまん延防止等重点措置の対象となっていますが、奈良は連日500人前後の感染者が確認されているにもかかわらず、適用の要請はなされていません。

 感染の多くを占めるオミクロン株は重症化率が低いとされる上、飲食店への時短要請を中心とする現行の措置では、感染防止に十分な効果が無く、措置は不要という声もあるのは承知しています。

 一方で、地元の店舗の方から、「このまま感染防止に無策のまま支援も無いという状態ではやっていけない、なんとかしてほしい」という切実な声も多く頂いています。この点、第6波襲来前に医療体制を十分に確保し、ワクチン追加接種を進め、十分な経済支援メニューを用意できていれば、まん延防止措置以外の選択肢もあったと思います。

 しかし、ワクチン3回目接種はまだごく少数に留まり、病床使用率は急上昇中にもかかわらず、病床確保を充実させるための感染症法改正は政府方針により先送りされてしまいました。

 また、感染防止につき、時短営業要請以外の具体策に乏しいことに加え、外出自粛と人数制限の有効性について、政府分科会の中でも混乱が見られます。結局、感染確認から2年経っても従来の措置に代わる有効な対応が示されていない以上、ごく短期的には、現状の措置を適用しつつ追加措置で補っていかざるを得ない状況です。そして、並行して、今までの宣言発令と解除のループに陥らないため、コロナの特性変化も踏まえた新しい対応策の議論も進める時期だと考えます。

◆国民の声を届ける国会改革
 国対委員長としても、国民の声を届ける国会改革に取り組んでいます。その一つに、与野党間の協議の仕組みがあります。国民の声をリアルタイムで政府に届け、政策の変更を迫るためには、対案の法案提出や国会質疑だけではどうしても時間的な限界が生じます。特に、コロナ対応のように、毎日のように刻々と情勢が変化していく課題については迅速な意見交換と要請が必要です。
 この点、政府と与野党が情報を共有し、迅速な要望と交渉を行う「政府与野党連絡協議会」という仕組みがあったのですが、昨年2月以来開催されず、岸田政権の下でも設置されていませんでした。
 私は、コロナ第6波が本格化する中、国民の声を迅速に届けるため協議会の復活が必要と考え、国対委員長として与党国対に復活を迫り、実現しました。今後は、国民から寄せられた要望を集約し、協議会の場で政府と与党に伝え、交渉し、政策の変更と実現を迫って参ります。
 さらに、党の地方自治体議員が国会質疑を客観的に評価し、質疑者本人に伝えて内容の改善に役立ててもらうモニタリングシステムの導入も試行が始まります。ひとりよがりの質疑に陥ることを避け、地域の声を国会に届けるために有効だと考えています。
 24日からはテレビ入りの予算委員会審議が始まります。まず真っ先にコロナ対応、経済政策と再分配、国交省の統計不正問題等を取り上げる予定です。国民の声を政府に届ける新たな試みを導入しつつ、行政への厳しい監視と提案を両立させる形で、通常国会の論戦に臨んで参ります。

 

スタッフ日記 「オミクロン株」

 21日、新型コロナウイルス新規感染者が、新たに509名確認されたと奈良県が発表し、第5波のデルタ株からオミクロン株に置き換わったとみられるとも発表がありました。

 今回の感染拡大は、13日に134人に達してからわずか一週間で約4倍の509人と急速に拡大しています。オミクロン株は、感染力は強いが重症化率は低く、軽症、無症状の感染者が多いと言われています。ただの風邪程度と思い、日常通りに街中を移動し、感染が拡大してるとも考えられています。そうであれば、この数字は今後もっと積み上がると思われます。

 南アフリカでのオミクロン株への変異が言われ、国は水際対策を強化し、飛行機内で感染者が出れば同乗者全員を濃厚接触者として14日間の隔離とするなどしてきました。しかし沖縄、岩国など米軍関係者の大量感染、そして基地のある県での急速な拡大など政府の水際対策の失敗は明白です。

 再びまん延防止等重点措置の適用などが話題に上っています。しかし私はこの間の政府の対策がこれで良かったのか検証することが大事ではないかと思っています。特に収入が無くなり生活に本当に困っている人に対処できているのか。医療従事者、事業者、生活者支援など、もう一度細かく見直し対処する必要があると思います。

 私のところにも高齢者向けワクチン3回目の接種券が届きました。市町村では少しでも前倒しして感染拡大の防止にと、集団接種やフォローアップセンターの立ち上げなど全力を尽くしています。国は、このような市町村の取り組みにこそ資金を手当てし協力すべきと思います。(スギ)

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