第1003号 10月31日 決戦へ

2021年10月9日 (土) ─

 岸田総理は14日に衆議院を解散し、31日に総選挙を実施することを表明しました。いよいよ決戦の時です。

◆早期選挙は適切
 私は、岸田総理の政策実行力の有無を見定める上で、組閣と所信表明演説に注目していましたが、組閣は各派閥の長老に忖度した党・閣僚人事に終始し、総理の理念や信念が見えないものとなりました。岸田政権は従来の自民党政権の大枠を踏襲する内閣という形が明らかになったと思います。
 当初11月7日と見られていた総選挙が1週間前倒しされ、解散からわずか17日後という異例の早さで31日に設定されたのも、総理が急激な政権支持率の低下を恐れてだと推察します。
 しかし、結果としての選挙の前倒しは、6月以降続く政治空白の早期解消につながります。一部には予算委員会も開かずに衆院を解散することを批判する向きもありますが、選挙の駆け引きばかりが繰り返される今のままでは政治は前に進まず、一刻も早く新たな国会議員を選任して政治空白を埋めるのが最適だと考えます。

◆問われるのは実行力
 岸田総理が掲げる政策の表題は、コロナ対策支援の充実や分配による成長、分厚い中間層の育成など、野党が従来から主張してきた政策に接近しているように見えます。これらの政策は今の日本に必要なことが明らかな「合意争点」であり、問われるのは「実行力」です。
 しかし、総理の所信表明演説は、既得権を打破する分かりやすい具体策には踏み込めず、取ってつけたかのように憲法改正にも触れるなど、人事と同じく自民党各派閥への忖度がにじみ出ており、実行力を感じさせる熱量が伝わって来ませんでした。
 コロナ禍により社会転換が求められる時代の宰相として、例えば総理が掲げる「新しい資本主義」により国民生活の何が変わるのかなど、強いリーダーシップを感じさせる発言に乏しかったのは残念です。
 逆にわれわれ野党は総理と主張が重なることを避けずに、実行力と具体論、例えば再分配政策として、平成30年間の税制の大転換となる消費税減税のような具体論を持って勝負すべきという認識を新たにしました。

◆未来を拓く選挙
 そして、いよいよ31日は4年ぶりの衆院総選挙となります。有権者の皆さまには、決して「その場の空気」や「消去法」による選択ではなく、この4年間の政治を振り返って頂いて、本気で国民の命と暮らしを守るのはどの党で、どの政治家なのかを積極的に見極め、投票を行っていただきたいと思います。
 コロナ禍は、政治しかできないことを明らかにしました。今なおコロナの完全な収束は見通せず、経済と国民生活は疲弊しきっています。病床や治療薬の緊急的な確保はもちろん、後遺症に悩む患者への継続的なケアのような長期的な医療体制の整備が必要ですし、生活支援のための緊急支援金や借金減額による事業者の倒産防止など、「安心」を育むための政策の実行が何より必要です。
 政治家が本気で実行するかは、主権者である国民にかかっています。31日が未来を拓くための選挙となることを望みます。

 

スタッフ日記「持つべきものは…友」

 還暦で再婚する友人に子供たちから贈るホームウエディングパーティーで、私は料理担当になりました。
 ホームパーティーなので簡単なオードブルと考えていたのですが、この話を聞きつけた飲食店を営む幼馴染から店を閉めるから式場として使えばいいよ、店にある食材を使使っても良いよ、と言われ友の娘も大喜びです。
 子供たちが2人のために貯めた予算では用意できない材料があったので、きっと幼馴染の友人からの結婚祝いなのだろうと私は思いました。
 しばらくして、学生時代に3兄弟と言われ仲の良かった3人から披露宴の演出は任せろと電話があり、家族みんなが喜ぶ何かを考えてあげれればと企画しました。
 会場設営は彼に任せて、私と子供たちは厨房でパーティー料理作り、すると子供たちから、店の壁から床までが一面真っ白な白い布で包まれているのを見て驚く声が聞こえました。私は今回のサプライズの内容を聞いていたのですが、本当に一面真っ白にしてしまうとは驚きです。
 新郎新婦が店に来ると照明を暗くして、子供たち2人がロウソクを持ちパパと新しいママを席に案内する。すると、2人の目の前に沖縄の友人に頼んでおいた残波岬の夕暮れ時のライブ映像が映し出されました。床に敷き詰めた白い布いっぱいに波打ち際まで映され、まるで現地にいるようでした。
 コロナでなければ家族旅行へ行きたかった場所、沖縄残波岬。新しい家族に僕たち友からのプレゼントです、末永くお幸せに。沖縄の夕陽を見つめ涙が止まらない新郎新婦・・・みんなもらい泣きでした。    (よっちゃん)

第1003号 10月31日 決戦へ