第997号 知事に緊急事態宣言要請を提言

2021年8月28日 (土) ─

 27日、私は県議会会派「新政なら」とともに、荒井知事に対して国に緊急事態宣言の要請等を行うことを強く求める提言を提出致しました。

◆足並み揃える必要性
 奈良では連日200人前後の新規感染が確認されており、国の指標では最も深刻なステージ4にあります。ここまで感染が拡大してしまった以上、県単位での対策には限界があり、人流が生じている経済圏単位で対策の足並みを揃えなければなりません。すでに関西では、感染者の絶対数が少ない和歌山を除いて緊急事態宣言が発出されており、奈良と新規感染者数がほぼ同じの滋賀県も緊急事態宣言が発出されました。周辺府県と一体となってコロナに向き合わなければならない時に、奈良だけ緊急事態宣言はおろかまん延防止等重点措置の適用もないというのでは、感染を抑えられません。

 また、デルタ株の特徴として、子どもへの感染力も非常に高いことが挙げられます。子どもが学校で感染すれば、家庭内感染も拡がってしまいます。新学期を迎えた今、危機感を共有し、感染拡大をなんとしてでも止めるという点でも、緊急事態宣言の発出が必要ですし、それでも知事が要請しないのであれば、どのように他府県からの流入を止めるのか?という具体策の提示を強く求めて参ります。

 さらに、事業者支援の点でも、緊急事態宣言の影響を受けて売り上げが減少した場合の月次支援金の支給や、宣言下での雇用調整助成金の助成率引き上げ措置等、国の支援制度を活用するために緊急事態宣言を発出すべきです。

◆より強い措置のための法整備
 緊急事態宣言は一定の効果が見込める一方で、繰り返される発出と解除により国民の間に慣れが生じ、発出地域内でも人流抑制が不十分と指摘されています。また、飲食店への休業時短要請を軸とした対策では自ずと限界があることも明らかです。

 全国知事会は、20日に緊急提言を行い、全国的な感染爆発を抑えるための、いわゆる「ロックダウン」のような、徹底した人流抑制策について、緊急的時限措置として、国の責任の下で、特措法・旅館業法等必要な法整備の検討を国に要請しています。

 感染力の強いデルタ株がまん延し、感染による重症者数が連日過去最多を更新し続け、冬にかけてさらに第6波、第7波が予想される現状では、これまでにない感染防止対策を強力に発動することを想定した法制を整備しなければならないというのは同感です。

◆政局の前にコロナ審議を
 法整備のためには国会開会が必要ですが、永田町界隈では自民党総裁選やその後の政局、選挙の話題が中心で、野党が求めているコロナ審議のための臨時国会は開会される気配がありません。速やかに開会されるべきですが、9月末の総裁選後、10月に解散となれば、総選挙は11月にずれ込む可能性もあり、その間国会審議はありません。

 国民の命を守るための国会審議が行えず政権維持だけを求める政府に対しては、私が「本気で、命を守る!」決意を、街角で有権者に直接訴え、その是非を選挙で問うていくしかありません。

 

スタッフ日記「夏休みの思い出」

 つい昨日のこと、朝の通勤時、歩道に小学生の集団登校の列が出来ているのを見かけ、「夏休み中の登校日かな?」と思っていたところ、すでに奈良市内では2学期が始まっていることを知りました。

 小学校の夏休みというと、7月20日頃から8月31日までが定番で、25日を過ぎるとそろそろ自由研究や読書感想文に手をつけなければいけないタイムスケジュールというのが自分の子どもの頃の感覚です。なので、8月に2学期が始まるのには違和感がありますが、学校へのクーラー設置が進み、暑いから教室で勉強できないというわけでもないようで、学ぶべきことがどんどん増える中、夏休み期間も今後さらに短くなっていくのでしょうか。

 子どもの夏休みの過ごし方も変化しているようです。都市化が進む中、山でカブトムシなどの昆虫を取り、川で泳ぎ魚を追う、という過ごし方はさすがにもう一部の地域に限られるでしょうが、プールで泳ぐ、遊園地で遊ぶ、両親の実家に帰省するといった夏休みの思い出になる活動も、コロナで制約を余儀なくされています。少子化の影響もあるのでしょうが、そもそもプールや遊園地のような子どもの遊び場が減ってきているのも感じます。

 バーチャル世界の中で子どもの遊び場を作れば良いという考えもあるでしょうし、実際に子どもたちは柔軟に新しい遊びのスタイルに適応していくのでしょうが、感覚を刺激するリアルな遊び場での体験は、長く思い出に残りやすいと思います。リアルな子どもの遊び場と、夏休みの思い出を作れるような余裕のある社会であればと思った晩夏の朝でした。(アタリ)

第997号 知事に緊急事態宣言要請を提言