第996号 指定感染症5類変更はまだ早い!
新型コロナの新規感染者数が日々過去最多を更新する中、感染症法上の位置づけを今の結核やSARS(重症急性呼吸器症候群)といった重大な疾病扱いから、季節性インフルエンザ並みに引き下げるべきかの議論が再燃しています。
◆引き下げの意図は?
現在、新型コロナに対する扱いは厳格で、患者に対する入院勧告や就業制限などの措置が可能です。これに対し、コロナの致死率は「季節性インフルエンザ」よりも低いのだから隔離などの厳しい措置は必要ないという意見があります。また、扱いを引き下げることで一般医療機関での入院や治療が可能になり、特定の指定病院に集中している負担が解消されるという意見もあります。
こうした意見がコロナを季節性インフルエンザ並みの扱いにすべきという根拠となっていますが、厚労省の本音は、感染拡大が止まらず日々批判が高まる中、扱いを変えることで社会的なコロナ鎮静化を狙っているのではないかと思われます。
◆新型コロナの特殊性
コロナはただの風邪だ、という主張は当初からありましたが、無症状感染者が他者に感染させること、比較的軽症の方でも急速に症状が進み重症化する恐れがあること、真夏でも爆発的に感染すること、血管系の炎症や肺炎の併発可能性が高い等の明らかな特徴を持っています。
また、ワクチン接種で先行する欧米でさえ夏場に感染の再拡大が進んでおり、日本でもワクチンの2回接種率が約40%という段階ですが、爆発的な感染拡大は止まりません。ワクチンには重症化を防ぐという一定の効果は認められるものの、コロナ感染自体の鎮静化という点ではまだまだ程遠いのが現状です。
こうした風邪や季節性インフルエンザと異なるコロナの特徴を踏まえて感染拡大を防止し、患者が適切な治療を受けられる権利を守っていくことが、現時点で求められるコロナ対策ではないでしょうか。安易な基準変更は政府によるワクチン接種遅滞や感染防止対策失敗、医療ひっ迫の責任を国民に転嫁するもので、行政としての責任放棄であり、本質的な解決につながりません。
仮に基準を引き下げると、患者の隔離が徹底されずに感染がさらに広がる恐れがあり、患者にとっても隔離下で手厚い治療を受ける権利が失われかねません。また、一般の民間病院がコロナ患者を受け入れることが可能になり、病床ひっ迫が解消されるという意見も、医療関係者の善意に頼ったあまりにも楽観的な見方と言えます。
◆病床の全力確保を
感染者・重症者数減少などの状況により、いつかのタイミングで基準を変更することを否定はしませんが、今はまず、病床の確保と治療への不安感除去に全力を尽くすべき段階です。
公的病院へのコロナ患者受け入れは十分ではなく、民間指定病院でもコロナ病棟の運用改善によっては、患者を受け入れるスペースがまだあるとの声も聞いています。また、諸外国で作られた野戦病院のように、コロナに特化した集中的な治療が行える施設を作ることも必要です。
ありとあらゆる手段で病床を確保しながら、一方でワクチンの普及、特効薬の開発、治療法の改善などを両輪で進め、コロナとの長期戦を戦い抜く覚悟を示すことが、行政の責任を果たすことだと考えます。
スタッフ日記「Happy Wedding」
「こんな時期だけど家族だけの結婚式に出てくれないか」先日、幼なじみの友人から連絡がありました。
幼いころ遊びくればいつも私のそばから離れなかった娘さんが、父親にわがままを言って式を挙げるかなと私は思いました。私は友人に、コロナもあるし時期を考えればと話そうとすると、突然電話口に娘さんが出て「チーちゃんじゃないよ!パパの結婚式を家でするから来てほしいの!」と言われて聞く耳を疑いました。
一番下の子が生まれて間もなく奥様が亡くなり、男手一つで三人の子を育ててきた彼が還暦過ぎてから再婚するとはびっくりしました。話を聞くと、男親としてどうしていいのか分からない時に友人は娘さんが母親のように慕っていた幼稚園の先生に相談をしていたようです。娘さんもまた、父親に言いにくいことがあればよく相談していたみたいです。時折、先生は自宅に来てくれて話を聞いてくれるようにもなり、父親が長期出張の時は子供達三人の食事を作りに来てくれたそうです。
子供達も父親と先生のことは理解できていたのですが「三人ともパパと先生のことわかっているから先生のこと早くママって言わせて!」と今回の自宅での結婚式の話になったようです。
3人の子供から父親に贈る結婚式。「結婚式の予算少ないけど大丈夫かなぁ」と娘さんが心配そうに話すので私は、みんなが手伝うなら最高の料理が出来るし最高の結婚式になるよ!と思わず返事をしました。
同時に何故か目頭が熱くなりました。友よ、結婚おめでとう。 (よっちゃん)