第983号 終盤国会の政局
コロナ感染第4波が猛威を振るう中、総選挙前の最後の通常国会はあと約1か月を残すのみとなりました。閉会後の都議選、オリンピック、そして秋口の解散総選挙と流れが固まってきた感があります。
◆放置される奈良
感染拡大は第3波までと違って緊急事態宣言後も収まる気配を見せません。今までは発令から近い時期に新規感染者がピークを迎えていましたが、今回は逆に全国に拡散しているのが現状で、31日解除どころかさらなる延長になる可能性が十分にあります。
そして、政府は緊急事態宣言とまん延防止等重点措置対象道県を追加することを表明しましたが、依然として感染が深刻な奈良県は含まれませんでした。荒井知事は12日の記者会見で、あらためて緊急事態やまん延防止について、効果が分からないと否定的な見解を示しています。
国としては、こうした知事の姿勢を考慮した上で、知事の納得と協力なしには宣言や措置の適用はしないという姿勢を明確にしたものと推測できます。知事の頑なな姿勢を変えることは難しいものがありますが、やはり継続的な説得しか道はないと考えています。
◆内閣支持率の低下
止まらぬ感染拡大は菅政権にダメージを与え、4月の補欠・再選挙では野党が全勝しました。そして、5月の時事通信最新世論調査では、菅内閣の支持率は前月比4.4ポイント減の32.2%と政権発足後最低で、不支持率は6.9ポイント増の44.6%と最も高くなっています。
菅政権にはワクチン調達や普及に関する実行力はおろか、オリンピック、インドなどからの入国水際対策、休業要請等についても中途半端で、国民に対する説明能力も著しく欠けており、国民の目には、政治が全く機能していないように映っていると感じます。これ以上何を言っても仕方ないという不信と諦念が渦巻き、一部には政府の矛盾した要請に従う必要はないという意識が形作られているのが現状だと思います。
◆内閣不信任案の意義
こうして政府への不信が高まっていますが、立憲民主党は恒例となっていた終盤国会での内閣不信任案提出を行わない方向です。これを提出断念と表現したり、政府と戦う姿勢が足りないと批判する意見が一部で出ているようですが、私はそれは違うと考えます。
今までは、否決されることを前提に、終盤国会にパフォーマンス的に内閣不信任案を提出して、政局を作ることで存在感を示そうとする野党の意図がありました。
しかし、コロナ禍の中では、より実質的な内容をもった対案を示し、その議論の中で政府と与党の不作為を突く方がよほど建設的であり、無用の政局を演出して国民にドタバタを見せることは不要と考えています。その点で、不信任案不提出は、野党の新しい国会戦術に道を開くものです。
政府がオリンピックをすでに開催決定済みとして譲らない以上、解散の時期は秋口に限定され、ワクチンの普及状況を考えても、まだまだコロナ禍の中での選挙戦が想定されます。争点はコロナ対策と経済政策に絞られつつあります。野党は堅実に、そして粛々と対案の提示に努め、後は選挙で審判を仰ぐという姿勢で臨めば、必ず結果もついてくると思います。
スタッフ日記 「不易流行」
馬淵事務所には「不易塾」の看板がかかっています。
「不易流行」の精神は、まぶちすみおが一貫して主張し続けているものです。
不易流行は、広辞苑によると「(芭蕉の俳諧用語)不易は詩の基本である永遠性。流行はその時々の新風の体。共に風雅の誠から出るものであるから、根元においては一つであるという」という意味です。不易は「かわらないこと。不変」という意味です。平たく言うと、変わらぬものと、変化してゆくものとがあるということです。
私たちの世界でも、変わらずに守ってゆくべきものと、時代に応じて変わってゆくものとがあるというのです。
新型コロナウイルスにより、私たちの暮らしや価値観も大きく変化しています。
私自身は、外食や出かける機会が減り、家時間が増えました。その分少し時間をかけて料理をする日もあれば、テイクアウトを利用したり。買い物も一人で行くことが増え、オンラインも利用するようになりました。
最近は、実家の母に電話をかけたり、友人にラインを送ることも増えました。こんな時だからこそつながりを大切にしたいとも思っています。
また、おいしいものを食べる・適度な運動をする・睡眠時間を十分にとる・ゆっくり入浴するなどの昔から体に良いとされている習慣は、いま感じているストレスやコロナ疲れの解消になりますし、体力や健康の維持、そして感染拡大予防のためにも大切にしていきたいなと思います。
そして、まぶち代議士は今日も街を歩いています。変わらない、永遠不滅の真理を求めて、変わり続けていくために。(まあちゃん)