第978号 「選挙」で勝ち取る政策転換

2021年4月10日 (土) ─

 奈良の新型コロナ新規感染者数が、連日過去最高を更新しています。すでに、コロナ専用病床の使用率と、人口10万人あたりの直近1週間の新規感染者数ともに、国の感染指標で最悪の「ステージ4」の目安を超える危険な状況です。

◆一変した空気感
 第4波が本格化するまで、奈良では日常的に懇親会が行われるなど、コロナに対して、緊急事態宣言が発令されていた東京や大阪とは違った空気感があったと思います。

 感染急拡大を受けて、地元の宿泊施設や駅前の商店街に現状の聞き取りを行いました。旅館業界の現場からは「急拡大以降、ご年配の方の飲食来店がパタッとなくなった」、「5月に予定されていた大規模な宴会もキャンセルが入った」、「今後、宴会需要がどうなるかわからない」という厳しい声が、地元商店街の飲食店などからは「コロナ禍以降、昨年3月と比較しても今がいちばん厳しい」との声が聞かれ、奈良でも空気感は一変してしまったと言えます。

◆地元の声を尊重して
 感染力が強い変異ウイルスの急拡大の中、まん延防止等重点措置の適用に関して、奈良市長は国への要請権限を持つ知事に対し、適用を求めるべきと要請しましたが、知事は慎重な考えを示しています(8日時点)。

 まん延防止等重点措置は、飲食店への時短要請が中心となりますが、公的支援との関係から、法的根拠の無い中途半端なお願いより、まん延防止等重点措置を適用した上での正式な要請の方が良いという声があり、奈良の300の飲食店が加盟する組合も、知事に時短要請を出してほしいとの申し入れを行っています。経済への打撃や実効性から、措置の適用は慎重になるべきだという意見がありますが、私としては、現状では地元の声を尊重して判断されるべきと考えています。

◆4・25春の陣
 コロナ対応と政局との関係では4月25日の国政3選挙が重要です。まず優先されるべきはこれ以上のまん延を防ぐことですが、感染拡大の中での緊急事態解除とその後の無策ぶりを見ると、今の菅政権に期待はできません。圧倒的な議席数による驕りと、「どうせこのままでも選挙では負けないだろう」という危機感の欠如が、政府与党のコロナ対応の生ぬるさの源泉になっている以上、矛盾した政策を転換させるためには、やはり選挙によるしかありません。

 4月25日には北海道・長野・広島と、衆参合わせて3選挙区で補欠・再選挙が実施されます。立憲民主党議員が逝去した長野選挙区の他は、自民党議員が政治とカネを巡る汚職疑惑で議員辞職したことを発端とする選挙であり、政治の私物化を正すという点で意義のある選挙です。ここで野党が全勝すれば、近いうちの衆院解散をちらつかせて政局の主導権を握ろうとする、総理や自民党首脳の手法を封じることが出来ます。

 通常国会終盤に向けて与野党攻防が激化する中で、直近の民意を背景に、コロナ対応と経済対策の強化・転換を強く迫り、勝ち取ることも可能になります。野党の力で政府与党を動かすために、勝たなければならない春の陣です。

 

スタッフ日記 「さみしさ」とたたかう

 古典文学というと少々難しい印象がありますが、そこは人が書くものですから、いまの私たちにも共感できる部分がたくさんあります。
例えば徒然草で兼好法師はこんな風に書いています。「気の合う人とじっくりおしゃべりでもしたらきっと楽しいんだろうけど、なかなかそういう人はいないから、誰かと向き合ってても寂しくなっちゃう」。

 兼好は隠遁生活を自ら進んで始めた人なので、この寂しさは実はただの「兼好おじさんのワガママ」でしかないのですが、でも矛盾するこの気持ち、ちょっとわかる気がしませんか?

 話は変わりますが、この1年、たくさんのことが制限され、寂しさを感じていらっしゃる方も多いと思います。

 ただ、実は飲み会や旅行が「できないこと」そのものよりも、飲み会や旅行、おしゃべりなどの気晴らしの「手段」が「封じられていること」の方に強くストレスを感じるのではないかと、この1年考えていました。

 医療従事者の皆さんやお商売をされている皆さんの日々のご苦労は本当に大変なものだろうと思います。一方そうでない皆さんも同様に「さみしさ」と戦ってきた1年だった気がします。

 かくいう私も猫でも飼ってみようかと考えましたが、選挙になれば1か月も家を空ける生活ですから、生き物なんてもってのほか、観葉植物ですら怪しいレベルです。

 でもせめて何か癒しをということで、水やりをあまりせずに済む多肉植物を買ってみたのですが、手入れがラクな分、生長が遅く、葉っぱ1枚増えません。まったく生活が潤わないのですが、どうしたらよいでしょうか??(シズ)

第978号 「選挙」で勝ち取る政策転換