第963号 Go To に代わる支援
西村コロナ対策担当大臣が「勝負の3週間」と位置付けたコロナ感染拡大ですが、その3週間が終わろうとする今、新規感染者数が過去最高を更新しています。
◆必然だったGo To破綻
もはや政府が「第3波」の食い止めに失敗したことは明らかで、Go To事業の迷走はその象徴です。菅総理はGo To事業見直しは考えていないという前言を突如として撤回して、全国的なトラベルキャンペーン一時停止を発表しました。各種メディアで支持率が急降下したことが伝えられた直後であり、信念ではなく保身からの政策転換であることは明らかですが、判断の遅れと矛盾した言動で現場の大混乱を招いたことは、より一層国民の総理への不信感を高めることでしょう。
そもそも、Go To 事業は当初、「新型コロナウイルス感染症の拡大が収束し、国民の不安が払拭された後」に行われることになっていました。それにもかかわらず、夏の感染拡大第2波の真っ最中にキャンペーンが開始され、収束とは言えない状況が今まで続く中で、事業だけが拡大していきました。感染がさらに拡大し、国民の不安が高まる中で一時停止に追い込まれたことは、必然だったと言えます。
しかも、Go Toトラベルの全国的な停止は、今月28日から来年1月11日までのわずか2週間に過ぎず、その後の扱いは不明です。年末年始を挟むだけで感染拡大が止まるとは思えず、事業継続は難しいでしょう。Go To事業は、政府自らの対応ミスにより、事実上破綻したと言えるでしょう。
◆長期戦への移行
もはや、Go To迷走のように、短期間で場当たり的な対処療法を行う段階は過ぎ去ったと思います。仮にいったんピークを越えたとしても、少なくとも今冬から来春にかけては、波状的に感染拡大の波が繰り返しやってくるでしょう。感染拡大の防止と、国民の不安払拭という目標を達成するために、Go To に代わる継続的な支援が必要です。
例えばGo Toイートも、単に飲食店への時短営業要請と休業協力金の支払いで応急的な対策をするだけでは、短期的な感染防止効果しか望めません。感染を防ぐための店内のアクリル板や換気設備の設置補助、会話をせずに感染の心配が少ない1人客対象の来店支援など、長期的な消費傾向の変化に対応した支援の強化が必要です。その方が、安心して利用できる飲食店として、長期的に営業を続けるサポートになると考えます。
また、支援の現場を混乱させている例はGo Toだけではありません。例えば先日私に寄せられたご相談に、家賃支援給付金の未払いについての相談がありました。家賃支援給付金は、6日までに約76万件の申請に対し、約64万件の給付にとどまっており、まだ12万件には給付はなされていません。
しかも、支給対象となる土地等の記載に当初官庁側のミスがあり、それに対する現場と官庁の対応の認識にもズレもあり、追加申請の手続きが取れないまま申請期限が迫り、困っておられる方も多くおられます。持続化給付金も含め、申請期限の延長などで、長期的なサポートを続けることが必要です。
コロナとの戦いは長期戦です。例年とは違う年末年始となりますが、改めて皆さまにも感染防止へのご協力をお願いしたいと思います。
スタッフ日記 「冬至」
12月に入って割と暖かく過ごしやすい日が続いていましたが、ここ2、3日は寒気の吹き出しにより一気に冬の寒さが厳しくなってきました。暦の上での季節の節目「冬至」がやってきます。
今年の冬至は12月21日(月)です。一年で最も日照時間が短いこの日は、日の出が午前7時、日の入りは午後4時50分です。そして、冬至ならではの習慣と言えば「かぼちゃ」や「ゆず湯」が有名です。
冬至には「ん」のつくものを食べると「運」を呼び込めるといわれています。かぼちゃには「ん」がない?そう「なんきん」なんです。他にも、にんじん、だいこん、れんこん等々。縁起担ぎだけではなく、栄養をつけて寒い冬を乗り切ろうとの意味合いもあるそうです。
「冬至にゆず湯に入ると風邪をひかない」とも言われています。いくつかの諸説あるようですが、体を温め血行の促進、冷え性の緩和、風邪を予防するといった効果もあるようです。
また、冬至=「湯治」ゆず=「融通が利く」こんなゴロ合わせで融通が利くように、との説もあるようです。いずれにせよ、一番寒さの厳しい時期にかぼちゃを食べ、ゆず湯に入り栄養を蓄えて体を温めるという先人の知恵だと思われます。
私も、冬の寒さが身に応える年齢となりました。昔ながらの冬の乗り切り方も取り入れて元気にこの冬を乗り越えたいと思っています。
新型コロナの感染拡大も心配なこの冬、皆様も先人にならって身体を温め栄養を取り元気にお過ごしください。
令和3年がより良い年となりますようお祈り申し上げます。(スギ)