第956号 臨時国会はじまる!
第203臨時国会が26日に開会しました。コロナ禍の中、野党の強い求めにもかかわらず政府により召集が見送られてきましたが、ようやく国会議論が再開されます。
◆委員長を拝命
私は、開会日に衆議院本会議において、議長から決算行政監視委員会委員長の指名を受けました。
党や政府の役職を歴任してきた私にとっても、国会における委員会委員長は全く新たな挑戦です。
決算行政監視委員会は、税金が適正に使われたかどうか、行政が不正行為を行っていないかどうかを審査する、国会の本来的な役割を担う重要な委員会です。政権交代なき長期政権により、政府・省庁と与党の一体化が進み、国会の行政監視機能の低下が指摘されています。国会と行政の間の緊張関係を取り戻すことが、野党からは2人に過ぎない常任委員会委員長としての役割だと考えています。
委員会では質問者と政府の馴れ合いや不誠実な答弁は決して許さず、中立の立場で厳正に議事進行を行って参ります。
◆覇気なき総理
指名を受けた後、菅総理の所信表明演説を聞きましたが、内容は淡々と従来の政策の実現を並べただけの平坦なものであり、野党代表質問への答弁も合わせて、行政のトップとしてコロナ禍と経済危機という「有事」に立ち向かう覇気は全く感じられませんでした。
平凡すぎて「見出しのつけられない演説」との評価もあるようですが、私はむしろ、答弁能力に不安がある中で、自らリーダーシップと存在感を打ち消して、温厚篤実な実務家としてのキャラクターに徹したい総理と官邸の意図を感じました。
臨時国会はわずか41日間と昨年秋の67日間に比べ短期間で、政府による条約・法案の新規提出はわずか8本と、これも昨年秋の15本に比べ少数に留まっていることからも、総理を矢面に立たせたくない政府与党の意図が垣間見えます。
◆新党の始動
一方、新党としての立憲民主党も動き出しました。
委員長の重責を拝命した私は、今までのように一委員として委員会での質疑を行うことはありませんが、党の政策決定には積極的に関わっていきます。
先日も、消費税の減税が議題となった党の経済政策調査会に出席し、コロナ禍での再分配政策を考える上で、消費税がどのような税であるのか、あらためて根本から議論し直さなければならない旨を説きました。会長からも、新しい党として過去の呪縛から解き放たれた議論があっても良いとする返答を得ました。
新党のテーマは、しがらみからの脱却だと思います。今、真に国民のためになる政策は何か、そしてそれを実現化していくにはどうしたら良いかを徹底的に議論し尽くすことしか、国民の支持を集めることは出来ないと思います。
新党、そして私も、臨時国会で新しいスタートを切ります。
スタッフ日記 「リアルイベント」
例年この時期に地元では、秋祭り神輿巡行や、防災訓練、自治会の朝市など、各地での催事が多く、地域の繋がりを感じさせてくれる季節でした。 しかし、今年は開催を決めた地域も一部ある中、そのほとんどが中止・縮小となっています。主催者の方からも、これから地域に根差した従来の「繋がり」をどうつくっていくのか苦労している、とお話も聞きました。
歴史を遡ると、奈良時代は華やかな時代であったのと同時に、飢饉やかんばつ、凶作や大地震の歴史がありました。むしろ、そうした疫病や大災害に対し、祈りを捧げる場所として多くの人が集うための寺社仏閣が建立された歴史もあります。寺社仏閣が多い奈良では、道端のお地蔵さんにお供えをして人が寄り合う地蔵盆を見ても、今でもその生活の一部に自然と「集い」が組み込まれている、と私自身実感しています。
私の住んでいる富雄では、商店街が力を合わせ、ハロウィーン企画として子どもたちが3密を避けながら商店街を仮装して歩く、工夫を凝らしたイベントが開催されました。 少し地方に目を向けると、過疎地域であることを利点として、密閉された空間の中で密を避けながら映画を楽しめるドライブインシアターがにわかに注目を集めたりと、少し視点を変えて、イベントに参加できる方法を地域活性化の一つとして捉えています。
古くから、人が寄り添うことで幾多の困難を乗り換えてきた祈りの地、奈良。ここから何かを変えることができると信じています。コロナと暮らしをどう考えていくか、地域のコロナ対策版地域活性化に今後も注目したいと思います。(特命係長)