□■1月解散の可能性
昨日、菅総理は第3次補正予算編成の指示を出した。その目的として、新型コロナウイルスの感染防止策の徹底と社会経済活動の両立を図りながら経済の持ち直しの動きを確かなものにするためとしている。その上で、今年度の第3次補正予算案と来年度予算案を合わせて「15か月予算」の考え方で編成に当たるとしているのだが、これをどう見るか? 補正の予算書は、このタイミングで指示が出ているので、年内には十分整うはずである。一方、当初予算となると、事情が違う。当初予算編成が終了して予算書を作って召集日に提出を図ろうとすると、ほぼ1ヶ月はかかるとされている。今年はコロナの影響もあって、概算要求が8月末から9月末へと1ヶ月ずれ込んだ。これにより、当初予算編成は年末ギリギリになる可能性が高い。つまり、当初予算と補正予算を一括で提出となると、国会召集も1ヶ月後の1月後半となってしまう。
報道の通り、「15ヶ月予算」ならば一括提出が本来だが、ここは要注意だ。官邸が解散を目論んでいれば、年始早々の4日に召集して、補正予算だけを分離して提出は可能である。2016年の第190回国会は1月4日に召集され補正予算の財政演説1日、1日空けて代表質問を衆参合わせて2日間、予算委員会での補正予算審議を衆で4日間、参で4日間の計12日間で上げている。
つまり、第三次補正を分離提出すれば、来年の1月4日召集で1月20日に補正を成立させての解散が可能となる。15ヶ月予算を言葉通り受け止めれば、1月後半の召集となり、そのタイミングから補正、当初予算と審議をしていく過程で解散は予算成立の大幅な遅れを招いて事実上、困難になる可能性が高い。
従って、1月解散は、補正予算案の分離提出か否かでわかる。1月20日解散、2月2日公示、2月14日投開票。そこから特別国会召集などが入るため、おおよそ1ヶ月ほどの暫定予算が必要となる。オリパラの開催の是非、コロナの第三波のリスクなど不確定要素が多いが、それでも、要注意だ。