第947号 安倍総理退陣へ
28日、安倍総理は持病の悪化を理由に辞任を表明しました。
◆総理決断を尊重
突如の辞任表明には様々な意見がありますが、政治家の出処進退は自らの判断であり、安倍総理が健康上の理由で、総理大臣の任に耐えられないと判断された以上、その意思を尊重すべきと考えます。むしろ、そこまで持病が悪化されていたということでもあり、今は一日も早いご快癒と健康回復をお祈りするところです。
今月初めより、総理の健康不安説が永田町に流れ出した後も、報道含めて総理の体調あるいは進退に関わる話題が収まる様子もなく、むしろ退陣が規定路線かのような報道がなされる状況を受け、もしや、とも思いましたが、実際、現実のこととなり、大変驚いているというのが正直なところでもあります。しかし、国政の停滞はあってはなりません。一刻も早く新総理含め体制を刷新していただき、国会にて、コロナ禍はじめとする様々な課題に取り組んでいかなければなりません。
総理辞任により、速やかな国会開会の必要性はさらに高まりました。コロナ対応が求められる中、現状では、与党の責任放棄とも言える空白状態を放置することは許されません。速やかに自民党後継総裁が選出され、臨時国会が召集されることを強く求めてまいります。
◆ダイナミズム失った8年
8年に及んだ第2次安倍政権ですが、総理が悲願としてきた憲法改正は成し遂げられませんでした。経済政策に目を移すと、政権初期の金融緩和は円安と株価上昇を生みましたが、2度にわたる消費税増税や、特定大企業の優遇、既得権益層の温存により、貧富の格差は拡大し、庶民の暮らしは悪化を続けてきたというのが実感です。
政治的には、8年間を通じて野党は政権を脅かす大きな塊を作れず、自民党内からも総理に代わり得る人材が現れず、安倍政権は様々な矛盾と疑惑を抱えながらも、他に適任が見当たらないという消極的な支持を受け続いてきたという印象です。言わば、安定という名の下で政治がダイナミズムを失い、国民の政治不信と諦念が高まったのがこの8年だと考えます。
そして、政権の最後に、コロナ禍が襲いました。感染拡大に収束は見えず、経済苦境が深刻化する中、もはや従来通りの政策では国難を乗り切ることは不可能であり、早晩、政権は行き詰まるとも言われていました。
◆政権選択選挙へ
安倍政権が終焉を迎え、政局は一挙に流動化します。自民党後継総裁は、党員・党友票を省略して実施するとの報道もあり、安倍総理に近く、議員票が見込める菅官房長官が有力ではないかとも言われています。
しかし、地方票に強い石破議員などは猛反発することが予想され、他に麻生副総理や二階幹事長、岸田政調会長などの思惑も入り乱れ、総裁選をめぐって自民党内でも大きな混乱が予想されます。
政局の嵐が予想される中、折しも野党も今、大きな塊を目指す新党結成に動いています。新党はもはや小さなコップの中で争っている場合ではなく、ポスト安倍時代にどのようなビジョンを持った政権を築くのかを国民に明確に示さなければなりません。次の衆院選挙は、自公後継政権と野党との間で、まさに文字通りの政権選択選挙になります。いよいよ、政治がダイナミズムを持って動き出します。
スタッフ日記 「左利きの日」
8月13日は「左利きの日」という記念日だそうです。
「左利きの日」とは、イギリスの左利きを後援する団体「Left-Handers Club」が提唱した記念日で、左利きの生活向上を呼び掛ける日として1992年に制定されました。左利きの人にとっても使いやすい道具の開発を呼びかけるなど、海外ではイベント等が開催されています。日本ではこの日がお盆期間ということもあり、別途2月10日も「レ(0)フ(2)ト(10)」の語呂合わせで「左利きグッズの日」として定められています。
調査によって多少違いはありますが、世界人口の約10%が左利きといわれています。かくいう私も左利きです。最近は、スポーツ選手をはじめ左利きの人を時々見かけますが、私が幼い頃は、左利きは矯正すべきものという風潮があり、右利きでないと「しつけが悪い」と言われることもありました。私もお箸を直すように厳しく言われたそうですが「まったく食事をしなくなったのであきらめた。」と母が笑っていました。文字は小学6年間書道を習って右手で書けるようになりましたが、書くスピードが遅く、授業のノートを書き写すのが間に合わず、結局左手を使うようになってしまいました。
最近は、色々な左利き用の使いやすい道具があり、先日フライ返しを買いました。とても使いやすく、よく考えると今までは無意識に右手に持ち替えて使っていたのだと気付きました。ハサミや駅の自動改札など不自由なく当たり前のように右手で使っているものも結構あります。でも今度は包丁を買ってみようかな。そうしたら毎日の食事作りがもっと楽しくなりそうです。(まぁちゃん)