第932号 家賃をどう支援するか
コロナ感染防止のための営業自粛や売り上げ減少により、家賃の支払いが難しくなった事業者をどのように支援するかが緊急的な課題となっています。
◆先駆けて野党案を提出
事業者の家賃支援については、私も4月27日の衆院本会議代表質問で、国による賃料の肩代わりを含めた制度の整備が必要ではないかと、安倍総理に問い質しました。総理の答弁は、賃貸事業者に対して賃料の支払い猶予を要請することや、税制面の優遇措置を行うことで賃料の支払い猶予を後押しするという間接的な支援の表明にとどまり、極めて不十分なものでした。
政府方針では事業者を救うことが出来ないと判断した野党は、5党が連携して翌28日に「事業者家賃支払い支援法案」を共同で国会提出しました。内容は、前年同月比で2割以上収入が減少した事業者を対象に、まず国の機関が家賃を肩代わりして賃貸人に支払い、事業者がその後の経営状況次第で国に肩代わり分を返済できない場合には、返済を免除するというものです。また、賃貸人が家賃の減額に応じた場合には、減額分の一部を国が補助することも可能になります。
◆自民党案も出てきたが
これに対し、具体的な支援策を示せない政府に与党も危機感を持ったのか、7日には自民党が、独自の家賃支援策を提示しました。その内容は、まず国が事業者に無利子・無担保で融資を行い、事業者が家賃を支払った後で、上限を定めた一定額を国が事業者に給付するというものです。
しかし、この案では、まず国が事業者に融資を行った後に、事業者が賃貸人に家賃を支払うため、お金の動きが2段階になり、迅速な対応が可能なのかという疑問があります。そして、家賃以外の支払いに悩んだ事業者が、融資金を他に使ってしまうことも考えられ、確実に家賃の支払いがなされるのかという懸念もあります。さらに、融資条件として前年同月比で収入半減または3か月にわたり平均3割減少としているのは、事業者にとって厳しいものがあります。
◆「迅速」「確実」が必要
家賃支援に必要な視点は、「迅速性」と「確実性」だと考えます。すでにコロナ危機発生から3か月が経とうとしており、家賃支援に一刻の猶予もありません。野党案は法律の成立が必要になりますが、与野党が協力すれば迅速な国会審議と可決成立は可能です。そして、いったん成立すれば、自民党案のように2段階のお金の動きを生まず、国から直接賃貸人に家賃が支払われる野党案の方が迅速な対応が可能です。また、国が肩代わりで支払うことにより、確実に家賃が支払われることになり、賃貸人の保護の点からも、野党案の方が勝っていると考えます。
ただ、与野党がそれぞれ互いの案を全く譲らずに、支援がなかなか進まないということがあってはなりません。野党は与党との政策協議を呼びかけています。柔軟な政策協議と国会での審議を通じて、取り入れるべき点は取り入れ、一刻も早く家賃支援策が実現することを最優先に取り組んで参ります。
スタッフ日記 「巣ごもり」
新型コロナウイルスの感染拡大により、4月7日に政府は47都道府県に対し緊急事態宣言を発出し、感染防止対策として人と人の接触を最低7割できれば8割減少させるよう要請しました。テレワークなどを活用し極力外出を控え自宅で過ごす、密接、密集、密閉を避けるため店舗などへの休業要請も出されました。期限は5月6日までの一か月間となりました。
自粛する人や店舗への補償については、一世帯30万円や一人一律10万円支給で補正予算が組み換えとなり、休業要請やその保障に関して政府と地方自治体の足並みがそろわないなど、政府の後手にまわった場当たり的な対応が批判され、コロナ終息、医療体制の崩壊を防ぎ、人の命を守ろうとする一部地方自治体の長ががんばっている姿がテレビで放映されることが多くなりました。5月4日、未だ感染収まらずと5月末までの延長が発表されました。
そして私も、ステイホーム「巣ごもり」です。本を読んだりテレビを見たりで一日は過ごせました。テレビで料理を作ったり部屋で運動する映像が流れていますが、私には無理です。何をしようかなと考えていると、すかさず奥さんから「せっかく家にいるのなら片付け手伝って。」とお言葉が飛んできました。まずは断捨離、衣料品、本、古い資料など次々と出てきます。「終わったら表の庭の草引きもお願い。ついでに伸びた木も。」ここぞとばかり指示が飛んできます。「俺は庭師か。」そう出そうになる言葉をぐっとこらえ指示に従っています。早くコロナ終息してくれー。出口が見えるまで、皆さん、がまん、がまんで乗り越えましょう。(スギ)