第911号 家計を温めて財政再建へ
4日、私と山本太郎氏が共同代表を務める「消費税減税研究会」は、先週に引き続き、日本の財政をテーマとする勉強会を行いました。
◆国には必要な借金もある
先週の勉強会では、高橋洋一嘉悦大学教授をお招きし、「消費税を増税しなければ日本は財政破綻する」という財務省の論理が誤りであることを確認しました。
私は、かねてより、財政危機を理由として、政府が増税と緊縮政策を取ることには反対の立場でした。永続性と公共性を持つ国と、一般家庭の借金を同じに考えるべきではなく、生活に困っている国民への支援や、社会インフラへの有効な投資は、一定程度の借金をしてでも国の責務として行うべきで、そのようにして未来に投資していかなければ、経済は縮小していくだけだと考えてきたからです。
そこで、今回の講師として、政府は借金にとらわれず、積極的に財政支出を行うべきと主張されている、井上智洋駒澤大学准教授をお招きしました。
◆日本経済衰退の理由とは?
井上先生は、まず平成の30年間で、いかに日本が貧しくなったかを示されました。労働者の実質賃金は低下を続け、1人当たりのGDPは、かつて世界第2位だったのが、26位にまで低下しています。先生は、その根本原因は長期のデフレにあると指摘されました。
デフレは経済活動を停滞させます。そして、デフレ下で増税すると、民間に出回るお金を少なくしてしまい、ますますデフレが進むことになります。経済が回復しようとしている段階で消費税増税を繰り返し、デフレから脱却できないという悪循環を繰り返してきたのが平成の日本なのです。
先生は、財政再建を増税によって行おうとする限り、失われた30年は今後も続くと述べられました。そして、政府による大胆な財政支出と、減税が必要である旨を説明されました。しかも、単に政府の経済対策に見られるような、特定の大企業に受注や利益が集中するような財政支出ではなく、国民に直接一定の給付金を配ることも含めた、思い切った直接的な消費喚起策を提示されました。
◆給付と減税は有効な経済政策
国民にお金を直接給付することに、「ばら撒き」という批判があります。しかし、特に所得の低い方々への直接給付、又は減税は、貯蓄ではなく消費に回ることで、お金の流れを生み、経済を活性化させます。大企業や富裕層への税優遇措置を行っても、内部留保や貯蓄に回されることで、お金が動かないのが現状です。直接給付、又は減税は、「ばら撒き」ではなく、戦略的かつ有効な経済政策なのです。
今は、ありとあらゆる可能性を検討して、なんとか庶民の家計を温め、消費を増やして、経済を活性化させなければならないと考えています。国民という「人」への投資に消極的になる必要は全くありません。積極財政によるインフレの発生を懸念する声もありますが、30年間デフレから脱却できない日本で、過剰にインフレを警戒することは杞憂です。
増税で財政均衡を目指すのではなく、逆に減税で家計を温めることで経済を活性化させ、財政を長期的に安定させていくという「発想の逆転」が求められているとあらためて確信した、有意義な勉強会でした。
スタッフ日記 「「ONE TEAM」再び」
2019年新語・流行語大賞に「ONE TEAM」が選ばれました。昨年のカーリング日本女子の「そだねー」に続いて2年連続スポーツ界からの選出です。
ラグビー日本代表のワールドカップでの活躍、2ヶ月半の間日本中をラグビー一色に染めた実績からも当然の受賞だと、喜びを持って受け止めています。予選リーグを全勝し、当初の目標であるベスト8進出、残念ながら南アフリカに敗れる結果となりましたが、本当に楽しい思いをさせてくれました。次回フランス大会も大いに期待したいと思います。また、年末年始にかけて、高校、大学の大会も開催されます。4年後のワールドカップを担う若い世代が続々と登場し、このラグビー人気が更に燃え上がることを願っています。
スポーツリハビリ。皆様に大変ご心配をおかけしております代議士ですが、11月30日には救命治療を行っていただいた奈良県立医科大学付属病院を退院し、自身が通う東京のジム(サンプレイ)の会長の紹介で東京新宿メディカルセンター(旧厚生年金病院)に転院し、全力でリハビリに励んでいます。この病院の整形外科にはラグビーを始め有名スポーツ選手が、怪我の治療とリハビリに通うと聞いています。約3週間のリハビリメニューとのことですが、完全復活し皆様の前に元気な姿をお見せする日も近いと感じています。
県警、県広域消防、ドクターヘリ、医大病院、外科、整形、看護スタッフの皆様がまさに「ONE TEAM」で一日も早い復帰をと治療にあたっていただきましたこと感謝申し上げます。年末年始なにかと忙しい日々が続きますが、健康第一、ご自愛くださいますよう願っております。(スギ)