第910号 日本の財政危機は「ウソ」
私と山本太郎氏が呼びかけ人となって発足した「消費税減税研究会」は、28日に講師を呼んで初めてとなる勉強会を開きました。残念ながら怪我で入院中のため参加は叶いませんでしたが、活発な議論が展開されたと報告を受けています。
◆財政危機への疑問
消費税が何度も増税されてきたのは、政府や財務省、マスコミが、医療など社会保障分野の支出増加を理由として、日本の財政危機を繰り返し主張し、「消費税を増税して税収を確保しないと、日本は財政破綻してしまう」という理屈が、半ば国民の常識のようになってしまったという背景があります。
しかし、私はかねてよりその論理は誤りではないか?と考えていました。事業を営んできた私にとって、バランスシートの負債のみをことさらに取り上げることに強い違和感を持っていたのです。国の借金は1100兆円超とされていますが、政府には借金と同時に資産があり、また、政府が過半数の株式を保有している日本銀行の総資産は、569兆円に上っています。政府と中央銀行の会計を一体に扱うすなわち会計の連結は当然のことであり、公会計の連結を行えば借金は一気に半減します。日本の借金は実態からかけ離れて、過大に宣伝されているのではないかというのが、私の問題意識でした。
そこで、講師は、かねてより消費税増税による財政再建の必要性のウソを指摘され、日本の財政は危機に無いことを主張されている高橋洋一嘉悦大学教授にお願いしました。
◆高橋先生の解説
高橋先生のご説明は明快でした。先生自らが、財務省に勤務され、日本政府全体の会計バランスシート作成に携わられた経験を基に、政府の資産状況を考えると、日本の財政は危機には無いことを示されました。
そして、社会保障費用の増加を消費税増税の理由とするおかしさも指摘して頂きました。先生によると、消費税を社会保障目的税としているのは、他国には見られないもので、社会保障費用が不足するというのなら、富裕層への累進所得税によって賄うべきであるとのことでした。これは、社会保険料を支払う余裕の無い方々に、消費税で社会保障費用の負担を求めることの矛盾を考えると、非常に納得のいく説明でした。
さらに、先日、IMF(国際通貨基金)が、日本は2030年には消費税を15%に、2050年には20%に引き上げるべきだとする報告書を発表したことに関しては、IMFには財務省関係者が多数出向しており、財務省の「お墨付き」の可能性もあることを指摘されました。
◆財務省の「ウソ」を共有
高橋先生のご説明は、日本の財政の現状と、消費税増税の必要性に関する財務省の「ウソ」を次々明らかにするもので、出席議員の皆さまも、そのことをしっかりと共有できたと思います。また、消費税を全廃するのではなく、地方税化することで、地方に財源を大胆に移譲すれば、地方の活性化につながるとの現実的なご意見も提示して頂き、これは、税制改革と地方の再生の2つを中心的な政策に据える私にとって、非常に興味深い説でした。
次回の勉強会は、政府と日銀の会計を一体に扱うべきだとする「統合政府論」の専門家を招いて議論を行います。私も早期の参加を目指し、怪我の完治に努めます。
スタッフ日記 「夢を見続ける力」
昔習い事をしていた時、習い事の先生に「才能とは何か?」と質問されたことがありました。私は、その瞬間はうまく答えることができませんでした。そして、先生は続けて「継続する力」だと教えてくれました。しかし、当時の私はその言葉の意味がよく理解できないまま、少ししてその習い事を辞めてしまいました。続けることができなかった私は、この言葉が、ずっと心のどこかににひっかかっていました。
先日、知り合いが作品を出している陶芸展に行ってきました。彼女は、短大で陶芸を専攻し、卒業してから縁があって先生の助手やお手伝いをしながら陶芸を続けています。毎年夏から秋にかけて、展覧会に向けて作品づくりをして、毎回なかなかイメージが湧かず、イライラしたり、悩みながら、コツコツ作っています。今年も彼女らしい不思議な形の作品が並んでいました。彼女は、なぜ続けているのか?いつまで続けるのか?私は特に聞いたことはありません。
そんな時「才能とは、夢を見続ける力だ」という言葉に出会いました。「夢を見続ける力」というのは、つまり、誰に命令されるわけでもないのに、自分のやりたいことを勝手に情熱を持ってやり続けられる力です。「こんなことをしていてもいいのだろうか?」という疑問も持たず、やりたくてしようがない。何でもすぐに結果がでるものではありません。それでもコツコツ積み重ねていくことができる。彼女には、夢を見続ける力があるのかもしれません。これからどのような作品を生み出していくのかますます楽しみです。(まあちゃん)