第898号 消費減税を旗印に!
消費税の10%への引き上げがいよいよ来月10月1日に迫りました。国民生活にとっても、政治にとっても大きなターニングポイントが近づいています。
◆駆け込み需要が無い理由
今回の消費増税の特徴として、消費者が増税前に商品を前倒しで購入する、「駆け込み需要」が生じていないことが挙げられます。2014年の消費増税の際は、増税の半年前から車や家電製品などで販売増加が顕著に現われていましたが、今回はそうした傾向は見られません。
この理由として、増税後の住宅や自動車の税制措置や、ポイント還元など、増税の悪影響を緩和する政策の効果と主張する向きもあります。しかし、直近の実質賃金は、7か月連続でマイナスになっており、貯蓄ゼロ世帯も上昇し続けている実態を見ると、庶民にそもそも駆け込み需要が生じるほどの消費の余裕が無くなっていると考えるのが自然です。
年金だけで老後は暮らせないことに対する将来不安もあり、10月からの増税に備え、消費を控えて生活を防衛しようとする意識が広がっているのが現状と言えます。
◆さらなる消費増税も視野に
増税を直前に控えているにもかかわらず、4日に開催された政府の税制調査会では、委員から「消費税は10%がゴールではない」との発言も出るなど、今後も何らかの増税策が必要との考えが示されました。議論の結果は今月中に答申としてまとめられ、安倍総理に提出される予定ですが、今後、15%、20%を視野に入れた消費税増税の議論へと発展することは避けられない状況です。
また、各省庁が要求する来年度予算も出揃いましたが、過去最大の約105兆円となっており、予算は膨らむ一方です。膨らむ予算を精査せず、税制全体の議論もないまま庶民の財布をATM代わりにして消費税で補おうとすれば、いずれ20%でも不足する議論に陥るでしょう。庶民のふところは寂しくなる一方で、国の財布は肥え太るというのでは、本末転倒です。どこかでこの負の連鎖にストップをかけなければなりません。
◆減税を統一野党の旗印に
消費増税を目前にして、ようやく野党も危機感を共有し始めています。立憲民主党、国民民主党ともに、まずは8%への引き下げが必要という点で一致し、秋の臨時国会では、消費税引き下げ法案を統一会派として提出する動きも出てきています。遅きに失した感は否めず、8%への引き下げでは効果は薄いと言わざるを得ませんが、消費減税の主張を国民に広めるきっかけとなることを期待します。
与党に対抗する勢力結集のためには分かりやすい物語が必要です。消費減税という、もっとも分かりやすい旗印を掲げ、野党が連携して未来の国民生活の物語を提示していくべきです。先日、私は山本太郎れいわ新選組代表と真摯に語る機会を持ち、私が元祖と自負する消費税減税論を提示し、消費増税のデメリットと、減税の必要性について意見が一致しました。山本氏も減税への思いは強く、今後物語を作り出すために連携を深めていかなければならないと感じました。
秋の臨時国会は、増税の悪影響が主要なテーマとなるでしょう。他の野党に対しても持論の消費税減税論を提示し、旗印とする活動に邁進していきます。
スタッフ日記「手荷物!手荷物?」
先日、新幹線への手荷物の持ち込みが予約制になるというニュースを耳にしました。
聞けば、東海道・山陽・九州の各新幹線では来年の5月中旬くらいから、大きな荷物は事前に予約をして専用スペースに置くか(無料)、予約なしで乗車した場合は追加料金として1000円を払わなくてはならなくなるとのことです。
これは困りました。
整理整頓が苦手、かつ心配性であれやこれやと持っておきたくなる私は、常に荷物がでかいのです。また、出かける前にはたいていバタバタしているので、「どんどん放り込むだけでよい」大きなキャリーケースの方が都合がよいとも思っています。それが予約制となると…、追加料金を取られるとなると…、自らの行いを省みて改めなければならないのでしょうか。
しかも、2023年度以降は車両の連結部分に荷物置き場を増やすということですが、当面は各車両の一番後ろのデッドスペースのみ(座席は減らさない)を想定している、と聞くと、予約が取れるのかどうかとても心配です。
気になるサイズは3辺、つまり縦+横+高さの合計が160cm以上、ということなので、幸い普段私が使っているキャリーはギリギリセーフでしたが、乗車前に職員がサイズを計って選別するという「ひと手間」がなければ、ギリギリOKの荷物は周りの人から「無理やり持ち込んでいる」と誤解され、白い目で見られるのでは?と終始ヒヤヒヤしそうです。
一回り小さなケースを買い直すか?いやそれもなんかおかしいだろう…、と逡巡は尽きません。(シズ)