COP21の現場を訪ねて

2015年12月7日 (月) ─

 一昨日、15時半にシャルル・ド・ゴール空港に到着してホテル入り。事前の準備と議員団との夕食会を終えて、時差ボケの中とにかく床に就くが、何度も夜中に目が覚めて、どうもいけない。眠剤くらい持ってくれば良かったと反省。

 そして明けて昨日は朝よりCOP21会場へ視察と経過説明を受けに行く。

 外務省参事官より、30日開催してからの一週目、事務レベル協議の最終日に当たる本日のステータスを聞く。二週目の閣僚レベルで、まとめ上げなければならないが、少なくとも事務レベル協議のドラフトがオプション、オプションの連続。加えて本文内容にも括弧書きが並ぶ。つまりは両論どころか複数論併記であり、でかつ括弧書きということは、一つ一つの単語も様々な意味合いを持つ言葉が並べられている。義務的要素を持たせるのか否か、決着がつかないままのドラフト案だ。

 これでまとまるのか?と思える状態だが、過去においてもCOPはこうした交渉の連続だった。公式日程は、12月11日(金)までだが、政府事務所も翌週の14日帰国のフライトも押さえており、若干の延長もすでに視野に入っている。

 やはり、論点は、途上国側からの要望に対して先進国側が譲歩できるかどうかというところになっている。排出規制、資金援助、など今までさんざん温暖化ガスを排出してきた先進国に対して、途上国側からの一種アフィアメーティヴアクションのような譲歩を求められるのは理解できなくもない。しかし、ここに、中国やインドも含まれるとなると、少し状況は違うように感じる。

 途上国側のリーダーは南アフリカ。この南アの強硬な姿勢が目立つ。大排出国のインドや中国、海面上昇を危惧して規制強化を求める島嶼国、穏健な中東という国々をまとめる中で、途上国の結束を強めるために南アが、あえて強硬な姿勢を堅持しているとも考えられる。

 また、一方で先進国の中でも、議会で共和党に牛耳られているアメリカはアメリカで、約束草案の拘束力に懸念を抱いているとも言われている。

 各国それぞれの思惑がめぐる中での交渉だ、揉めて当たり前だし、粘り強い交渉が求められる。民主党政権下でも、徹夜の連続だったと当時の松本龍環境大臣から、閣議後懇談会で聞いた記憶がある。

 いずれにしても、国際的合意がなされるか否かが、焦点。

 京都議定書当時はなかった、各国から出された約束草案によって定められる目標を、「議定書」とするのかあるいは中立的な意味合いを強めて、「契約」とするのかも、今のところ不透明らしい。

 アメリカが、「京都議定書」の評判が悪すぎるので、「議定書」すなわち「Protocol」を使うことに反対しているという。

 綱引きが続く、COP21、いよいよ閣僚級レベルの正念場の一週間を迎える。

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