第716号 COP21議員会議へ

2015年12月5日 (土) ─

 今週末、日本の議員団の一員として国会を代表し、パリで開催されている気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)における議員会議に出席します。

◆待ったなしの温暖化対策
 COP21では、途上国を含めたすべての国が参加する2020年以降の新たな地球温暖化対策の枠組み作りを目指しています。合意に至れば、京都議定書以来、18年振りとなる歴史的な合意となる可能性があります。

 近年、地球温暖化は急速に進み、地球環境や生態系に深刻な変化が生じています。例えば、太平洋の島しょ国などでは海面水位の上昇による高潮の被害が拡大していますが、一方、日照りや干ばつの増加により、砂漠化や、農作物の収穫量の低下が見られる地域も増えています。

 我が国でも、猛暑日が増加した結果、気候が不安定になり、ゲリラ豪雨が各地で発生するなど、影響が出ています。

 また、単に気候の面だけではなく、途上国における農作物の収穫量低下は、貧困の原因となり、テロの温床になっているという指摘もあります。

 世界各国が現在のままの経済活動を続けると、今世紀末には4度前後もの気温上昇が起こると予想されています。これは生態系に深刻な影響を与えるレベルと言われ、異常気象の増加や多くの生物種の絶滅が起こるおそれがあります。

 そのため、少なくとも産業革命以前と比べた気温の上昇幅を「2度以内」に抑える必要があるとされていますが、過去100年間で既に気温が0.6度上昇していると見られる中でこれを達成するためには、二酸化炭素等の温室効果ガスの排出削減を、全世界規模で速やかに進めなければなりません。

◆利害対立を超えて
 しかしながら、合意への道は容易ではありません。

 中国やインドなどの発展途上国は、国内産業の工業化を進めていますが、その過程では工場から二酸化炭素などが大量に排出されます。また、自動車の普及などで国民生活が向上すると、その分二酸化炭素の排出量も増加してしまいます。

 発展途上国は、温室効果ガスの削減が、自国の経済発展に悪影響を及ぼすことを恐れて、自らに義務が課される枠組みの合意に消極的なスタンスを取ってきました。今回も、削減目標設定に合意する見返りとして、先進国に資金援助を求める動きが見られます。

 しかし、今回のCOP21では、気温上昇を2度以内に抑えるため、長期的かつ野心的な目標を定め、途上国も含めた合意を行わなければなりません。我が国としては、途上国に対し、資金援助だけではなく、我が国の持つ優れた省エネや自然エネルギーの技術的協力をはたらきかけ、経済成長と温室効果ガス削減の両方が実現できる手助けをすることが重要です。

 そして、国内でも経済成長と温室効果ガス削減を両立させるために、二酸化炭素の排出量が多い石炭火力発電所の削減や、自然エネルギー導入促進に向けたさらなる取り組みを強力に進めなければなりません。

 各国代表の集う議員会議でも、我が国、そして世界が取り組むべき環境政策について、日本の国会代表の立場からしっかりと発言して参ります。(了)

 

スタッフ日記「郷土愛」
 首都圏在住の奈良出身者と関係者を応援する「東京奈良県人会」という団体があり、私も代議士の代理として度々お邪魔することがあります。

 県人会は、明治26年に高取町出身の山田三良氏が立ち上げられました。その後、東吉野出身の谷善之丞氏が創業した銀座の三笠会館を拠点として、戦後荒廃の世にあって郷土出身者が心の拠り所として集い励まし合ってきたそうです。

 高度成長期からは、個人の志向の変化などもあり、一時衰退した時もあったそうですが、首都圏で活躍する奈良県出身者や、その縁故者、奈良での勤務経験者、奈良愛好家など、奈良と何らかの縁がある方々に呼びかけ、会を繋いできたそうです。私もその中の1人、奈良選出の議員秘書という事で今では奈良県人会のメンバーになっています。

 数年前には県人会に「奈良若手の会」が立ち上がり、20代~50代の様々な分野の皆さんで、奈良のPR活動や勉強会など、奈良ならではの楽しい企画で活動しています。

 なら燈花会in明治神宮では、神宮参道に奈良からきてくれたボランティアの方々と一緒に燈花会を並べました。代議士の秘書になって10年。実は、燈花会を飾ることも、見ることも初体験でした。奈良フェスでは、上野公園で鹿せんべい飛ばし大会をやりました。こんな大きいせんべいが鹿のせんべいなのー?とびっくり。

 その他にも柿の葉寿司の食べ比べや、三輪そうめんを食す会、金魚すくい大会に奈良出身バンドのコンサートなどなど。仲間として受け入れてくれる奈良出身のおもろいメンバーの広い心と絆に感謝!です。(チョロ)

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