第551号 会期末に向けての攻防

2012年7月28日 (土) ─

 社会保障と税の一体改革審議は参院へと移りました。今回の審議では、民・自・公の三党の実務者も政府と一緒に答弁席に座っているため、「大連立」を想起させる風景でもありますが、早期の解散を求める野党との呉越同舟の行方はどうなるのか、今後の国会情勢についての所感を記したいと思います。

◆社保税一体改革採決はいつ?
 参院での法案審議時間の目安は、衆院の約7~8割というのが慣習です。社保税一体改革法案は、衆院での審議時間が129時間余なので、参院では90~100時間と予想され、お盆前には採決を迎える計算です。

 三党合意は社保税一体改革法案に限ったものなので、その採決が終われば、野党は参院での首相の問責決議案か衆院での不信任案の提出を検討しているとされています。そうなると国会はたちまちこう着状態に陥ります。

 こうした中、政府与党にはできる限り社保税一体改革審議を引き延ばし、その間に他の法案審議を進めたいという思惑があります。つまり野党は審議は十分なされたとして採決を求め、与党は継続して慎重審議を求めるという、与野党の立場が逆転したかのような状況が生まれる可能性があるのです。

 また、政府与党は社保税一体改革審議の後に大きな課題となる、一票の較差是正の選挙制度改革法案と、本年度予算の執行に必要な特例公債法案もできるだけ早く成立させたいとも思っています。与党国対が、強硬に選挙制度改革法案と特例公債法案を衆院で成立させて参院に送り、否決させるとハラをくくったかのような報道もなされていますが、まだまだ予断は許さない状況です。

◆追い込み解散のカード
 野党には昨年の菅総理の退陣の時のように、特例公債法案により衆院を解散に追い込みたいとの想いがありますが、一方でこの特例公債法案を与党が衆院で可決した後に、参院で野党が否決するとどのようなことになるでしょうか。

 野田総理が谷垣総裁と解散の約束をしていれば別ですが、普通に特例公債法案を巡って正面から対決すると、予算執行の停滞の責任を与野党がなすりつけあう構図となります。財務省の試算では特例公債の発行がなされない中での資金繰りのリミットは11月です。臨時国会でもその対立が続くと、11月には、クリントン政権下の1995、1996年に米国で起きたガバメントシャットダウン(予算を執行できず、行政サービスが停止する事)の事態を想定しなければなりません。 

 しかし、政府が野党に対して解散を前提としない協力を求める姿勢を貫いた場合、国民生活へのしわ寄せに対する不満が与野党のどちらにどのように向けられるのかは予測のつきにくい問題です。 

 場合によっては、特例公債法案を巡っての正面からの激突が、永田町で変わることなく続いてきた与野党対立の構図に何らかの変化を呼び起こす起爆剤となる可能性もあります。 

 政府与党が、何が何でも解散しないという戦略維持のために与野党対立正面突破を敢行するのか、それともこう着状態を引っ張った挙句に解散となるのか、会期末での攻防がその先の展開を占うものとなると思っています。(了)

 

スタッフ日記「い・け・な・い水分補給」
 梅雨が明けました。雨が降らないのはうれしいことなのですが、ここ最近はうだるような暑さが続いており、外回りをすると、代議士もスタッフもバケツの水をかぶったように汗をかいて首からさげたタオルがびっしょりになってしまうほどです。ただ歩いているだけなのに、人間ってこんなに汗をかくのかと今更ながらに驚いています。

 気温が30℃ を超えると、ウォーキングを1時間しただけで発汗量は1ℓ前後になります。体重50kgの人が1ℓの汗をかけば脱水率は2%となりますが、これは熱中症の入口なのだそうです。

 水分補給の大切さを改めて感じますが、私などは、日中に何度も汗だく・喉カラカラの状態でコンビニに入って清涼飲料水を一気飲みし、事務所に帰ったら帰ったで、疲れているからか甘い物がどうしても我慢できず、アイスやお菓子を食べてしまうという毎日を過ごしています。 

 しかし、清涼飲料水、いわゆるジュースには糖分がたくさん含まれているものも結構あります。それに加えてお菓子などを食べ過ぎると糖分の取り過ぎとなって、運動していても逆に不健康になるという恐ろしい結果を招く事もあると最近知りました。 

 また、一気飲みのように一度に大量の水分をとると、胃液が薄くなって消化不良を起こし、バテやすくなるので良くないとも聞きました。本当は常温か10℃前後の飲み物を1回200mℓ程度で何回か(運動中は2~30分おき)に分けて飲むのが好ましいのだそうです。 

 ああ、私はいけないことばかりを繰り返しておりました。…全面的に見直します。(お松)

第551号 会期末に向けての攻防