MKタクシー

2005年11月14日 (月) ─

 MKタクシーの青木前会長が奈良の事務所を尋ねてこられた。はて、何かな?、と一瞬戸惑ったが、思い出した。

 今年の5月17日に財金委で近産信組と中川秀直国対委員長(当事)との結びつきについて、質したことがあった。

 それについても、今頃なんだろう?。

 青木さんは、もうすでにMKタクシーの会長は降りられ、近産信組の経営一本でやっておられる。

 立志伝中の人でもある。

 かつて、タクシー業界が産業界としての評価が低いことを嘆かれ、様々な顧客指向のサービス提供を行ってきた業界の風雲児である。とりわけ、割引料金などについての旧運輸省との戦いは、マスコミをにぎわせた。

 その青木さんが何の面識もない、私を尋ねてこられる用事とは一体何か?。

 まさか、よくも質問したなとか、質問するな、などのばかげた話ではあるまい。

 と、思いながらお迎えした青木さんは、激しさを内に秘められているようではあるが、物腰の柔らかい好々爺然(失礼!)とした方であった。

 「事実に基づいて、質問をして欲しい。自分は、どこへでも行って発言するから、どうか、誹謗中傷の類とかには惑わされないで欲しい。」とのご意見であった。

 もちろん、事実に基づいて質疑をしていくのは当然であるが、私の当該質問は、法令違反となるような疑惑については、監督局としてしっかりと説明責任を果たして欲しいとの意見を大臣にぶつけたものである。それに対して、伊藤大臣が、個別のことは答えられないと逃げるので、青木会長と中川国対委員長の参考人招致を要求したまでで、決して個人攻撃をしたわけでもない。

 その旨を伝えると、よくわかっておられるようで、付け加えて、「どなたかに、頼まれての質問ですか?。」と、率直に聞いてこられた。

 へっ!?。びっくり!。

 そうか、そういうこともかつてはあったんだな。

 青木さんのご懸念は全くない。常に、行政が裁量によって市場を歪めていないかを、チェックする機能を果たしていきたいと思っているだけです、とお答えした。青木さんも、納得された様子。

 むしろ、金融庁がでたらめな指導をしてきたら、ぜひ連絡ください、とことん、市場のためなら追求しますよ、とお伝えした。

 近産信組は障害者向けの10万円までの無担保融資を行っている。当初、1億円の予算を立て回収率を半分ぐらいに見ていたところ、融資を受けに来たのはわすか15人。しかし、逆に障害者の方々から障害者のための金融機関だということで口コミで伝わり、いまや障害者の方々の預け入れが48億円を超えたという。

 市場を良く知り、本当に困っている人のための商売を考えれば結果はついてくる、と胸をはってお話されていた。

 国会議員として、対応すべきは対応しますとお約束してわかれた。

 ひょんなところから、出会いがあるものである。青木さんの気合を、少々いただけた気がする。

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