長女の上京

2008年1月30日 (水) ─

 長女が東京の大学を受験するといって、宿舎にやってきた。しばらく滞在するらしい。

 「お前らくると、部屋の中がぐちゃぐちゃになる!」と奈良の子ども部屋を思い出して、ついつい小言が先に出る。「いらっしゃい、お疲れ様」と言えばよかったと後悔するんだけれど。

 国会は大混乱。しかし、国会にいながらも気にはなる。ちゃんと、朝ごはん食べたか?、昼はシャキシャキ活動(勉強)しなさいよ。昼、寝てたらダメだよ。なんせ、朝、顔も見ずに宿舎を出るもんだからどうなっていることやらと母親代わりに気遣いせねばと思うのだが、なんだか怒ってしまうんだよな。

 「大丈夫だよー!、お父さん。しほり高3だよ。」と笑われる。そうだなぁ、どうしてもヨチヨチ歩きのころからビービー泣いてたときのイメージが強いもので、ダメだなぁ、父親は。何にも子どもの成長がわかってないかもしれない。

 次女のりいながヒロコに言ってたらしい。「お父さんたら、コンビニで、何でも好きなもの買っていいよ!、って言うんだよ。」と笑って…。

「えっ、何かオカシイ?」
「だってぇ、高2の娘に言う?。幼稚園の子がおもちゃつきのお菓子欲しがってるのと違うよー。」
「そっかー。」

 僕の頭の中には、6人の子どもとそれぞれに最も濃密に過ごした時期の記憶が強く残っているようだ。上の二人は、どうしてもアメリカにいたころの幼稚園時代が浮かぶ。

 宿舎に戻ると、しほりはダラダラとではないが床にペタンと座って勉強していた。

 がんばって!、と心の中でつぶやく僕に「お父さん、東京には山がないね。しほりは、山がある奈良が好き。」と独り言のように言った。

 しほりの好きな奈良と、お母さんお父さんは、ずーっと変わらないよ。だから、東京でもどこでも、好きなところで好きなことがんばりなさい、と願った。

 娘が、来てくれればいいなぁ、と素直に思った。

長女の上京