表参道ヒルズ

2006年2月13日 (月) ─

 あまり似合わないのだが、表参道ヒルズのオープンにご招待されて行ってきた。

 ヒルズの中に、地元の奈良の名産、奈良晒(ナラザラシ)のお店がオープンした。もちろん、奈良のお店の出店である。

 社長に呼ばれ、お祝いに駆けつけた。

 と、と、ところが、すさまじい人、人、人。

 正直、田舎育ちゆえ、苦手なのである。人混みが。

 うーん、どうしよう、たどり着けるかな?、店に。こういう、なんか、ビルの中、探すの苦手だなー、などと迷いながら長だの列に並ぶには後ろの予定上難しいし、どうしようかと悩んでいたところ、社長が表まで迎えに来てくださった。

 迷わずに入れる。ホッとする。

 建築家、安藤忠雄氏の設計によるこの表参道ヒルズは同潤会青山アパートの再開発事業でもある。

 かつて、私自身が大阪での再開発事業を行っていたころ、この同潤会アパートを徹底的に見て回ったことを思い出した。

 かつての住宅公団が、「南面板状」の神話にとりつかれた「公団」を作り続ける高度経済成長以前には、同潤会アパートのように「ヒューマンスケール」を重視し、「マイクロクライメイト」を配した、ランドスケープデザイン技法を持った集合住宅が試みられていたのである。

 代官山の同潤会アパートの、風呂屋は風情あったなぁ...、とふと懐かしく思い出しながら、安藤忠雄氏設計のヒルズビル内を眺める。

 確かに、このビルの内部空間にも「界隈性」が配されていた。そこには、ヒューマンスケールが残っていた。

 そして、もうひとつ、気になったのが、ロゴマーク。

 「表参道ヒルズ」はローマ字で「OMOTE SANDO HILLS」と書かれているが、「参」の字をモチーフにしたマークは、明治神宮の鳥居か?、と思わせる鳥居と参道のイメージのつづらおりで描かれている。

 海外の一流ブランドなどで占められているビルに、「和」の心が配されていることに、癒しを感じる。ここに奈良晒のお店を出されていることにも、「なるほど!」と、一人合点しながら、大繁盛の「粋更(きさら)」を後にした。

 ぜひ、のぞいていただけたら、と思う。

 表参道ヒルズに、「和」と「癒し」を感じていただけるかどうか、聞かせて欲しい。

表参道ヒルズ