統合本部

2011年4月15日 (金) ─

 3月26日の総理大臣補佐官就任から、今日で、まる三週間。状況把握と対処の方法検討さらには体制の整備、構築とできる限りの「補佐業務」を行ってきた。

 発災後二週間、落ち着きを見せることのできない原発事故対応に緊急招集された形での補佐官就任ではあったが、辞令には「東北地方太平洋沖地震による災害及び原子力発電所事故の対応を担当させる」とある。

 しかしながら、実際、この三週間、朝から晩まで原発対応に終始した。

 政府によって立ち上げられた「原子力災害対策本部」は原子力災害対策特別措置法16条に基づき設置されたもの。そして、もう一つ設置された機関「福島原子力発電所事故対策統合本部」は東電と政府による法の枠組みとは別の組織である。統合本部の本部長は菅総理、そして副本部長に海江田大臣、清水東電社長が就いていた。

 補佐官就任と同時にその統合本部に組み込まれることになる。

 突然本部に加わった第三者的な立場から見れば、統合本部は目前の発災後の対応に追われざるをえない状況にあり、あらためて総合的な視野に立って対応を行う必要があるようにうかがえた。そこでまずは位置づけをはっきりさせるべく統合本部の在り方を明確にし、さらに権限と責任の分担をより明らかにし、事態対処に追われがちな組織からの脱却を図った。このようにして、経緯とその状況把握、目前の対策検討に追われながら統合本部の組織体制整備を行ったのである。

 東電側の副本部長は清水社長に代わり勝俣会長が就き、さらに統合本部に事務局長を新設し、発災直後から東電に張り付いていた細野総理大臣補佐官、西澤東電常務が就くことになった。

 そして、この統合本部に(1)放射線遮へい/放射性物質放出低減対策チーム、(2)放射線燃料取り出し・移送チーム、(3)リモートコントロール化チーム、(4)長期冷却構築チーム、(5)放射性滞留水の回収・処理チーム、(6)環境影響評価チーム、の六つの特別プロジェクトを設置しその総括リーダーに細野補佐官が就いた。

 僕はこれらのうちの、(1)放射線遮へい/放射性物質放出低減対策チームに入り、東電側代表者とともに共同リーダーとなり検討対策を練ることになった。

 今後は、これまで統合本部に欠けていたとされる、中長期的な視野に立った対策を講じることにも取り組まなければならない。

 いまだ、不安定な状態を完全に脱し得ない状況ではあるが、一日も早く、安心を取り戻すために全力を尽くす。

統合本部