第830号 野党結集への第一歩

2018年4月14日 (土) ─

 民進党と希望の党は、合流して新党を結成する方向で調整に入りました。

 両党内に大きな反対の声は聞かれず、来月にも最大野党が誕生することになります。

◆野党結集への第一歩
 私は、野党が結集へと道筋をつけるタイムリミットは、来春の統一地方選挙を控え、候補者の紹介の場となる今年のゴールデンウイークのメーデーの直前までと考えてきました。

 その意味で、メーデー直前の今、まずは民進党と希望の党の合流により、バラバラだった野党がようやく結集へ向けて進みだしたことは評価すべきだと考えます。

 両党の合流に対しては、「野合」との批判もあります。しかし、希望の党議員のほとんどは、元は民進党所属議員であり、昨年の衆院選挙の際も、政権交代可能な大きな塊を作るため、民進党議員全員が共に移籍することを前提として希望の党への参加を決めたという経緯があります。

 両党の合流は元々予定されていたものであり、政策の面でも大きな方向性に変わりはなく、野合との批判はあたらないと考えています。

◆「一丸の会」の立ち位置
 私は、昨年の衆院選では希望の党から出馬しましたが、希望の党には落選後の候補者の扱いに関する規定が無かったため、落選後は希望の党所属ではなく、無所属で活動してきました。

 先日、衆院選で落選した元民進党系の浪人からなる政治団体「一丸の会(いちがんのかい)」を結成し、私がその代表に就任しました。一丸の会の目的は、自由な立場から各野党を繋ぎ、反自民党勢力を結集するところにあります。

 民進党の大塚代表は、民進党出身者による新党結成協議を呼びかけておりますが、ここは、一丸の会としては、慎重に推移を見守ろうと思っています。

 そして、今月19日には、東京で一丸の会の設立総会を開き、いよいよ政治団体としての活動をスタートさせます。

◆地元活動も強化
 私は落選以降無所属ではありましたが、元代表として、地方組織としての民進党奈良県連には個人的な協力関係にありました。

 奈良県においては、今や衆議院、参議院とも自民党議員が独占し、野党議員が一人もいない状況となっています。奈良県から自民党に対抗する野党組織の火を消すわけにはいきません。

 一丸の会を立ち上げた今後も、民進党奈良県連との協力関係は継続し、野党結集の際の県内のプラットフォームとなるべく支援していきます。

 そして、私自身も次期衆院選への準備を進めて参ります。

 次々と明らかになる隠ぺいや捏造で安倍政権が行き詰まりつつある今、国会運営がこのまま停滞し、与党内からも政権への批判が高まれば、総理が秋の自民党総裁選前にも起死回生の解散総選挙に打って出る可能性は十分にあります。

 まさに、今、覚悟と決意を持って着実に一歩を踏み出し、衆院1区への挑戦へと邁進するためにも、今後更なる地元への密着した活動を行って参ります。(了)

 

森ちゃん日記「働き方意識改革」
 諸外国と比較される事が多くなってきた日本の働き方。いまや日本独自の働き方としての終身雇用制、年功序列などの雇用形態は、IT企業や外資系企業を皮切りに変わりつつあります。そんな中でも、入社式、退職金制度、人事異動、朝礼、サービス残業など働く上で当たり前によく耳にする言葉は、実は日本にしかない慣習であることがテレビで取り上げられていました。新入社員が一括採用され、横一線にスタートを切るという常識は日本にしかなく、欧米や北欧では、個人の自由度が保障された上で、それぞれのステージでの職業選択が行われています。若者も含め働く世代が転職に対して、抵抗のない文化が根付いています。必要とされる場所で必要な人材が働く事が優先されるため、健康を害してまで働くことが優先とされ問題となる「過労死」という言葉が存在しません。

 働く上でのこれらの慣習は、日本の風土と歴史文化に合う形で形成されてきた働き方であり、今、議論されている長時間労働の是正や高度プロフェッショナル制度とともに注目されています。

 欧米のように独自の働き方の価値観が共有され、人生における仕事の優先度が変わる時代に向かう中で、果たして成果主義への移行が不必要な長時間労働の是正に繋がるかどうかは立ち止まって考えるべきだと感じます。サービスに対するコストと収益性を第一に考える欧米の働き方が、日本のような顧客を第一に意識するような、人へ対するあたたかさの視点とかけ離れた価値観にあることを忘れてはいけません。

 社会的な制度の構築と同時に個人の意識改革に結びつく社会的慣習が根付くことと、私たち働く若者が、自ら思考する力を身につける事が重要だと考えます。社会の当たり前に対して疑問を持つことが求められます。単に労働時間だけが短縮され、成果だけを求められる制度下では、かつてのゆとり教育制度とも似た視点を感じます。我慢が足りない、苦労を知らない、と国際社会から言われる働き方にならないよう意識改革からの議論が必要だと感じます。

第830号 野党結集への第一歩