第796号 世界遺産、一括登録へ!
ポーランドで開かれた世界遺産委員会で、日本が推薦していた「『神宿る島』宗像(むなかた)・沖ノ島と関連遺産群」8資産の世界文化遺産一括登録が決定しました。
日本の世界遺産登録はこれで5年連続となります。超党派の世界遺産議員連盟で会長を務める私も、このニュースを大変喜ばしく受け止めました。
◆逆転の一括登録
実は、今回の登録に関しては、今年5月に、日本が推薦していた8つの資産のうち、宗像大社など4つが「世界的な価値とは認められない」としてユネスコの諮問機関から除外勧告を受けていました。
しかし、沖ノ島は、宗像大社の一部とされ、九州本土の祭祀場などの関連遺産が一体化して人々の信仰を集めてきたものです。
これらの遺産は、古代には東アジアの交流の拠点となるとともに、人々が航海の安全を祈り、自然とともに共生してきた場でもありました。
沖ノ島はまさに、我が国古来の、多様性と共生を尊重する伝統を受け継ぐ場であって、全ての遺産が一体となってこそ価値があるものです。
したがって、一括登録は我が国として決して譲れない一線でした。
私たち世界遺産議連でも、粘り強く一括登録を目指し説得を続けることを確認して活動を行い、結果として、当初の除外勧告を覆し、8つの資産全てが登録されることになりました。
我が国の伝統や、そこにある普遍的な価値を世界が理解したことに大きな喜びを感じるとともに、ご尽力された関係者と地元の方々には心より敬意を表します。
◆世界遺産の意義
世界遺産登録を観光PR目的だと批判する向きがあるのは事実です。
しかし、素晴らしい自然や文化が人類共通の財産と評価され、地域の誇りやブランド価値が高まること、その結果、観光業の発展などの地域活性化につながるならば、それは歓迎すべきことです。
そして何より世界遺産登録の目的は、遺産を人類全体の宝として損傷・破壊などの脅威から保護し、保存して後世に伝えていくことです。それは単に物理的な保存にとどまらず、遺産を取り巻く人々の思いを含めた「伝統」を後世に伝えていくことに他なりません。
今回の登録により、文化遺産と自然遺産を合わせた国内の世界遺産は21件となります。 日本が多くの世界遺産を抱える中で、「観光」と「保存」の両立をいかに図っていくか、議連の会長として、新たなあり方を検討していきたいと考えています。
地域の伝統文化や美しい風景が消滅しつつある今、それは政治家としての責務とも言えます。
来年は「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」と「奄美・琉球」の世界遺産登録が審議される予定です。
奈良県では、すでに「法隆寺地域」、「古都奈良の文化財(春日大社・東大寺等)」が登録されていますが、現在は「飛鳥・藤原の宮都とその関連資産群」が世界遺産暫定リストに入り、将来的な登録を目指しています。
私も、引き続き様々な自然・文化が登録されるよう力を尽くすとともに、我が国の伝統を見つめ、後世に伝えていく活動を行って参ります。(了)
スタッフ日記「国会の暗号」
先日、加計学園問題の閉会中審査が行われました。
国会は6月18日で閉会しましたが、各議院(衆議院・参議院)の常任委員会と特別委員会は、議院の議決があれば閉会中でも審査を行うことが出来るのです。これを通称「ヘイチュウシンサ」と呼んでいます。「会」を取っただけですが。
国会ってところは、まどろっこしくて長いタイトルが多いところです。ですから、用語が暗号のように短くなっている事が多々あります。
たとえば、議員運営委員会は「ギウン」、各委員長と理事の懇談は「リジコン」、与党の理事の協議を「ヨリコン」、野党の理事の協議を「ヤリコン」と言います。
初めのころは何の事だかさっぱり分かりませんでした。
短縮ではありませんが通称も多くあります。
法案が野党の反対などで放置され、本会議にかけられないことを「ツルシ」、大臣などが法案内容を説明することを(官僚原稿を棒読みするから)「オキョウヨミ」、質疑に立つ議員を「バッター」、質疑の予定表を「バッターヒョウ」など、あげたらきりがありません。
秘書の会話でも「今日、議員が上がるんだ」と聞くと、議員が地元や地方から国会に来るんだな、となります。
ところで閉会中議員は何をしているの?とよく聞かれます。
主には、地元活動や視察・調査となっていますが、代議士のように党の役職にあったりすると、党務が頻繁に入ってきて、会期中とさほど変わりありません。
他の事務所のような「○○元気で留守がいい」ってな事にはならないんだな~。(チョロ)