第759号 「もんじゅ」廃炉問題

2016年10月15日 (土) ─

 9月21日、政府は「原子力関係閣僚会議」を開き、福井県敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」について、廃炉を含めた抜本的な見直しを行い、年内に結論を出す方針を明らかにしました。

◆遅きに失した政府判断
 歴代政府は使用済み核燃料を再利用して発電を行う「核燃料サイクル」政策を推し進めてきました。

 その中核であり、他の原発の使用済み核燃料を使って発電しながら、消費した燃料以上の燃料を作り出すことができる「夢の原子炉」と説明されてきたのがもんじゅでした。

 しかし、既に1兆円以上もの税金が投入されており、維持費だけでも年間約200億円が必要であるにもかかわらず、もんじゅは事故や技術的問題から、20年以上、ほとんど稼働していません。

 また、今後の稼働の見通しも立っておらず、計画が破綻したのは明白です。見直しは当然どころか、遅すぎるといっても過言ではありません。

◆省庁間の縄張り争い
 もんじゅが核燃料サイクル政策の中核であった以上、その見直しを検討するのならば、政策の推進そのものについても問われなければなりません。

 しかし、原子力関係閣僚会議に提出された「今後の高速炉開発の進め方(案)」という資料の中では、「我が国は「エネルギー基本計画」に基づき、核燃料サイクルを推進するとともに、高速炉の研究開発に取り組むとの方針を堅持する」と明記されています。

 つまり、もんじゅは抜本的に見直すものの、核燃料サイクル自体は変わらずに推進しつづけるということです。

 これでは、高速炉についての予算や権限が現在もんじゅを管轄する文部科学省から、核燃料サイクル全般を所管する経済産業省へと移行するだけで、根本的な議論が行われない可能性があります。

◆原子力政策全体の議論を
 さらに現在、経産省は福島第一原発の廃炉費用のうち、東電が負担しきれない分を、電気料金に上乗せし、国民が負担する仕組みを検討しています。

 しかし、今後必要となる廃炉費用は確定が難しく、最終的に国民負担がどこまで増加するのかは不透明です。この状況で国民の理解が得られるとは到底思えません。

 もんじゅの抜本的見直しが決まった今、いったん立ち止まり、廃炉費用の国民負担の問題も含めた原子力政策全般について慎重に議論をする必要があります。

 民主党時代、私たちは「2030年代に原発ゼロを目指す」という方針を掲げました。民進党でもその方針に変わりはなく、原発に依存しない社会を目指しつつ、エネルギーの安定供給を目指します。

 一方、廃炉や使用済核燃料の処理・処分など、未来への責任をしっかり果たさなければならないことも事実です。

 民進党は、「核燃料サイクル政策調査会」を今年5月に立ち上げ、私は会長代理を務めています。

 今後、色々な立場の専門家から意見を聞き、廃炉費用負担の問題や、核燃料サイクル政策の推進を今後どうすべきかなどについて議論を深め、対案を提示してまいります。(了)

 

スタッフ日記「スプーン一杯の…」
 ヒマワリの種。最近ネットや雑誌でよく見かけるので食品売り場で探してみると、ありました。もちろん人間用の売り場です。

 気になった理由は…ぎっしりの栄養素。見た目とは大違いの、まるで高価なサプリ並みなのだそうです。

 ほうれん草にたっぷり含まれる葉酸をはじめ、カリウム、ビタミンE、鉄分、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、リノール酸、植物繊維などが入っていて、アンチエイジングやダイエット、それから生活習慣病の予防にも役立つのだといいます。

 また、口に含んで、咬んで割ると、皮に含まれる成分のおかげでリラックスの効果があるのだそうで、まさに夢のような健康食品です。

 瞬時に栄養補給もできるのでメジャーリーガーが試合中にも食べるほどで、試合中に唾を吐いているシーンは、口の中でひまわりの種を割り、殻を吐き出しているのだとか。

 私もひまわりの種には愛着があります。

 以前ハムスターを飼っていた時に餌として大量に買い求め、上手に美味しそうに食べる様子を眺めていたからです。

 ただ、だからかも知れませんが、実際自分が食べるとなるとかなり勇気がいります。まだチャレンジしてはいませんが、ローストの塩味が結構いけるそうです。

 カロリーが高いので食べ過ぎは禁物とのこと。そんなにたくさん食べられない、と思っていましたが、1日スプーン一杯程度でいいそうです。

 下手なサプリより経済的で効果も期待できそうです。皆さんも一度お試しあれ。(葉っぱちゃん)

第759号 「もんじゅ」廃炉問題