第736号 震災への対応を急げ
熊本・大分などで14日以降多発している地震により被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げます。
21日午前の時点で関連死も含めると犠牲になった方は60名近くに達し、避難されている方も9万人にのぼります。
◆早急に支援物資の供給を
今回の地震の特徴は、揺れの大きい地震が断続的に発生し、収束の気配が見えないことです。21日未明の段階での余震の数は726回で、はじめは本震と見られていた、14日夜の震度7の地震も、のちに前震に過ぎなかったことがわかりました。
その後、16日未明の震度7の本震により被害はさらに拡大しましたが、終わりの見えない現在の状態から、避難の長期化が心配されています。
一方、支援物資が被災者に十分に行き渡っているとはいえない状況が指摘されています。物資が全国から送られても、それを避難所に届けることができず、県庁内などに滞留しているのです。
当初、支援物資は市町村からの要請を受けて県が仕分けを行い、送り届けるという方式が中心でしたが、自治体間の連携が上手くいかず、たちまち滞ってしまいました。原因として考えられるのは仕分けの人手不足や混乱などですが、担当の自治体職員の方々自身も被災者であることを考えると無理もありません。
今は、国が大まかに避難人数と場所を把握した上で、直接支援物資を送り届ける方式に切り替えつつありますが、こうした政府の直接支援による柔軟な対応を急ぐべきです。
また、激甚災害指定が遅れているのも問題です。単純比較はできませんが、東日本大震災の際、当時の民主党政権は、発生翌日に激甚災害指定の閣議決定を行いました。政府は早急に激甚災害の指定を行い、被災地への財政的支援を図るべきです。
◆震災に備える
今回の地震は、日本列島を横断する中央構造線上の断層がずれたために発生したと見られています。
東日本大震災以降、我が国は地震活動の活発な時期に入ったとする学説もあり、日本のどこで地震が発生してもおかしくない状況です。そのため、地震対策の見直しは国だけでなく、各自治体にとっても急務です。
国は、住宅や多くの人が利用する建築物の耐震化率を平成32年までに95%とする目標を定め、指導の強化や計画的な耐震化の促進などを図っていますが、まずはこの目標達成の前倒しを検討しなければなりません。
また、今回水や食糧の供給が滞ったことをふまえ、各自治体の食糧等の備蓄強化や、各家庭での非常食の備えを推進しするとともに、一定の規模以上の事業所には、食糧等の備蓄を求める条例の整備も必要です。
さらに、流通が確保できるよう、災害の時に交通規制を受けない緊急通行車両の事前登録を民間事業者の車両を中心に拡大すべきです。
歴史的に大地震が少ないとされている奈良でも、南海地震を始めとする地震への備えは大切です。熊本地震への対応を急ぐとともに、将来の地震への備えを進めて参ります。(了)
スタッフ日記「備えよ!」
14日、九州地方で大きな地震が発生しました。
数十分前に東京を震源とする地震があったので、緊急地震速報のあの音にはかなりドキッ!っとしました。TVに耳を傾けると地震の震源は熊本というではありませんか!
熊本は主人の故郷。すぐに父、母に電話をしますが全く繋がりません。地震の規模は尋常ではない様子。現地と連絡が取れない主人は心配になり、これから車で熊本行こうか、いや明日1番の飛行機か、と居たたまれない状態。
そうこうしていると友人、知人、親戚から家電話、携帯電話、携帯メール、LINEへと、「熊本の実家大丈夫!?」の連絡が次々きます。「連絡が取れないのよ、ご心配ありがとう」と言いながら、久しぶりの方々とちょっとハイテンションで話していたら、主人に「うるさい!」と怒鳴られてしまう始末(汗・トホホ・スミマセン)。
主人は翌朝1番で熊本に行き、家族の無事を確認しました。実家は家の瓦が落ちて大変な状況。政府からは「全避難者の屋内避難」指示が出ましたが、続く大きな地震に怯え、家には居られず車での寝泊りです。震度5以上を含む地震は20日までに累計697回。政府は、熊本地震は「大震災級という状況ではない」とし、国会はTPP一色ですが、災害は今も進行形でいつ終息するかも分かりません。
現地から戻った主人は、お風呂の水はいつも貯めておいて!懐中電灯は見えるところに!余計なものは片付けて!と、防災対策を開始。いつどこで災害が起こるか分からない日常だから、身も心も備えておきたいですね。(チョロ)