第735号 政局動かす大勝負
12日、北海道5区と京都3区の衆院補欠選挙が告示されました。投開票は24日です。
◆ダブル補選が政局の鍵
今回の補欠選挙は、安保関連法や労働者派遣法といった重要法案が強行採決されて以降、初めての国政選挙であり、結果が今後の政局に大きな影響を与えると予測されています。
安倍総理は、5月の伊勢志摩サミットの成功をアピールした上で、消費増税の延期を表明、その是非を問うとして衆議院を解散し、参議院との同日ダブル選挙を行う想定をしていると言われています。
これは、一定の支持率を維持しているうちに、与党の選挙組織がフル回転できるダブル選挙で勝ち、更なる長期政権と、悲願である憲法改正につなげるというシナリオです。
しかし何としてでも私たち野党は勝ちきらなくてはなりません。今回の補欠選挙での2勝は、ただ2議席というだけではなく、今後の政局を左右する重要な意味を持ちます。
直近の民意が安倍政権の政権運営に否定的であることが示されれば「ダブル選挙を行っても現有議席を減らすだけ」という与党内の慎重論は力を増し、総理としては解散を躊躇せざるを得なくなります。つまり、解散という最大の政治的カードを総理が思い通りに使えなくなるのです。
◆北海道・困難を乗り越えて
私は、党からの特命を受けて1月初めから北海道5区に入り、野党統一候補の池田真紀候補を応援するため、水面下で選挙の組み立てを行ってきました。
池田候補は43歳のソーシャルワーカーで、ご自身もたくさんの困難を乗り越えて来た方です。
幼い頃、父親の家庭内暴力がひどく、そこから逃れるために家族はバラバラになりました。その後結婚して、子どもにも恵まれ、温かい家庭を作ろうとした矢先に、今度は夫が借金で蒸発、シングルマザーとして働きながら2人の子どもを育てる生活が始まりました。その暮らしの中で感じた、法律や制度の壁、社会の不条理こそが池田候補がソーシャルワーカーという職業を選び、今、政治に挑戦する原点になっています。
働きながら大検に合格し、ホームヘルパー1級など7つの資格も独学と通信教育で取りました。そして、北海道に移住後は「現場と政策を繋げたい」と北海道大学公共政策大学院に入学し、修士号を取得しました。
池田候補にはこうした経験を乗り越えた意志の強さがあり、福祉の現場にいたからこその思いやりにあふれています。池田候補のモットーである「誰一人、置いてきぼりにしない」という言葉は、今の政治に大変重要な課題を突き付けています。
◆安倍政権打倒への一歩
現在、安倍政権は甘利元大臣の疑惑、相次ぐ閣僚・与党議員の失言、経済情勢の悪化、進まぬTPP審議などでほころびを見せています。ここで野党が勝利すれば、総理の解散に向けた戦略を狂わせると共に、TPPや議員定数削減問題といった重要議題を抱える国会後半戦へのはずみともなります。
補選の情勢は接戦で、予断を許さない状況ですが、安倍政権打倒への第一歩となるよう、24日の投開票まで全力を尽くします。(了)
スタッフ日記 「昨今ペット事情」
私の田舎の実家では柴犬を飼っており、帰省する際の楽しみの一つとなっています。
うちの犬は庭につないであり、見知らぬ人に吠え掛かる番犬としての役目を忠実に果たしています。その一方で、最近、実家近くを歩いていると、犬がつないである家が減ってきたなあと思っています。
調べてみると、犬の飼育数は5年前の約1200万匹から、約1000万匹へとここ数年で減少しているようです。理由は、犬は散歩など飼育に手間がかかるからではないかということです。
増加するお年寄り世帯は犬の世話をするのが大変、若い世帯は都市部に集中していて、散歩や世話の暇もないくらい忙しく、おまけにマンションでは飼育禁止のところも多い、ということで、ペット社会も世の中の変化を大きく受けています。猫は逆に手間がかからないので飼育数がほぼ横ばいということです。
また飼育場所も、今や室内が多数派のようで、どうりで庭の犬はみかけなくなってきたはずです。今では、庭で見知らぬ人に吠え掛かる番犬としての役目ではなく、室内で共に生活し、飼い主を癒す役目に「職務」を特化させている犬が多いようです。
もともと犬と人間の関わりは深く、縄文時代には人間の狩りの補助をしていたといわれています。実際そのころの人の墓からも、一緒に埋葬された犬の骨が見つかっています。
生活スタイルと意識の変化とともに犬の「職務」も変化していきますが、人の犬への愛着は変わることなく続いて行くと思います。(アタリ)