第634号 福島原発の作業員を守れ
9日、衆議院経済産業委員会での質疑に立ちました。
◆廃炉支援機構設立へ
今回の質疑は、原発事故賠償を支援する原賠機構に、廃炉業務を追加し、「原賠・廃炉支援機構」とする法案の審議です。
「廃炉機構」を創設し、そこに廃炉に関する人材・技術を集約してオールジャパンの体制で福島第一原発の廃炉に取り組むことは、昨年9月の汚染水問題の閉会中審査以降、私が主張してきたことです。民主党提言、政府への申し入れを経て、ようやく今回の法案審議に至りました。
法案は政府提出によるものですが、準備段階から政府と水面下で調整を行い、こちら側の主張は、概ね法案に盛り込まれました。その一例が、主務大臣や機構による、東電への罰則付きの調査権限です。3年前の事故当時、私が総理補佐官として対応にあたっていた際の最大の問題が、必要な情報が司令塔である対策統合本部に適時迅速に入ってこなかったことです。法律上の調査権限を主務大臣と機構に与えることで、東電にとって不都合な事実も含め情報が取りやすくなり、適切な戦略判断が可能となります。
◆海外の専門家の登用
質疑では、運用面にも切り込み、海外の廃炉専門家を、機構の参謀本部である「廃炉等技術委員会」の委員に登用することを求めました。国内の原子力の専門家は、多かれ少なかれ日本の原子力業界(「原子力ムラ」)と関係を有しています。彼らの専門性や知見を否定する訳ではありません。しかし、機構が国内外の信頼を得て、かつ、東電に対して緊張感を持って接するためには、日本の原子力専門家だけでなく、原子力ムラと関係を有しない海外の専門家、例えば米国のハンフォードサイトやスリーマイル事故の経験を有する人材などを招へいし、委員にすべきではないかと考えます。質疑に対し、茂木経産大臣からは、「国内外の英知を結集する。海外の専門家の参画は必要不可欠」との答弁を得ました。
◆作業員の労働環境改善
作業員の労働環境改善についても質(ただ)しました。福島第一原発は、高線量の原発事故現場という特殊な環境に加え、増え続ける被ばく線量、多重下請構造、長時間労働、待遇面の問題等、作業員は大変厳しい状況におかれています。このような中、先月28日には作業員の死亡事故も起きました。また、人為的ミスと思われるトラブルも多発しています。作業員の労働環境の改善を図り、安全を守ることは国として最低限の責務です。
福島第一原発では、1日4000人を超える作業員が働き、下請けを含め、数百~1000社程度の会社が作業にあたっています。一方、現地の労働監督署の体制は、わずか7人の体制です。民主党政権では震災後、2011年度補正、2012年度予算で、福島第一関連の労働監督署職員の増員を行ってきましたが、現政権になってからの2013年度、2014年度予算では増員要求すらされていません。質疑では、この点を追及し、来年度予算編成における増員を強く求めました。
福島原発の廃炉は、エンジニアリング、ガバナンス、マネジメントの問題がからむ困難な課題です。野党にあっても対策を前に進めるべく、私自身の経験・視点から鋭く切り込んでいきます。(了)
スタッフ日記「春来たる」
新しい年度がスタートしました。関東は桜の開花が例年より早く、満開の桜の下気持ちの良い年度始めとなりました。息子もはれて小学一年生となり、4月から明治神宮至誠館で剣道を始めました。結構厳しい指導なのですが、自分でやりたいと言った事もあり、頑張って稽古する姿に成長を感じます。
道場がある明治神宮では今年御祭神である明治天皇皇后の昭憲皇太后が崩御されてから4月11日で満百年という事で、百年祭の記念行事が行われています。至誠館でも武道奉納が行われました。5日(土)6日(日)には各地の郷土芸能の奉納や、普段は行われていない特別夜間参拝が行われ、奈良からも「NPOなら燈花会の会」の方々が手弁当のボランティアで10名上京され、東京奈良県人会若手の会からも数十名が参加して、明治神宮の参道を燈花会のろうそくで飾る奉納を行いました。
私もボランティア参加させていただきましたが、実は燈花会は初めての経験です。地元奈良では鹿がろうそくを食べてしまうため、原料は鹿が食べても大丈夫な植物性の油脂で作っているという事を初めて知りました。白、赤、ピンク、緑の特製カップを花模様に並べ、水を注ぎ、ろうそくを浮かべます。芯が水に濡れてしまうと火がつかなくなるのでデリケートな作業でした。20時からは満開の桜の下、ライトアップされたご本殿前石畳で被災地3県の奉納演舞が一斉に行われ、それは圧巻でした。参拝者皆で東北の復興を祈願しました。(チョロ)