25日、政府は、特定秘密保護法案を閣議決定し、国会に提出しました。一方、同日、民主党は、政府の秘密保護の判断をチェックするため、情報公開法の改正案を議員立法として提出。同時審議を求めています。

◆特定秘密保護法案とは　
　特定秘密保護法案（以下「法案」）は、防衛、外交、スパイ活動の防止、テロ防止の4分野で、漏れれば国の安全保障に著しい支障をきたすおそれがある情報を、閣僚らが「特定秘密」に指定。漏らした公務員や民間の関係者、共犯者に最長で懲役10年の罰則を科すものです。すでに漏洩の処罰規定が設けられている国家公務員法（最高刑懲役1年）や自衛隊法（同5年）に比べると、相当の厳罰化です。

◆法案の問題点　
　閣僚経験者として、行政府が取り扱う数々の情報の中には、安全保障上の観点から機密情報として扱うべきものがあることは重々承知しています。また、他国政府と機密度の高い情報交換をするためには、信頼度の高い情報保全体制が不可欠であることも確かです。　

　しかし、それでもなお、法案には大きな問題点があります。　

　まず、何が「特定秘密」にあたるかの基準が不明確であることです。法案では、秘匿する情報は、「別表」に列記した情報のうち、外務大臣や防衛大臣等の行政機関の長が指定することになっています。そのため、大臣や時の政権が、国民に知られたくない情報を恣意的に指定するおそれや、テロに関連するとして原発の安全性や放射能の情報まで秘匿されかねないという懸念が拭えません。　

　加えて、厳罰化等により公務員が委縮し、行政情報全般の提供について慎重になり過ぎるあまり、報道機関の取材や、国会議員の質疑のための情報収集に支障が生じることが懸念されます。さらに、特定秘密を知ろうとする側も処罰の対象となります。これでは、国民の「知る権利」が保障されず、また、国会審議が形骸化することで、国民や国会が政府をチェックするという民主主義の基本的な機能そのものが損なわれることになります。

◆慎重審議が必要　
　与党は、11月上旬にも衆院で審議入りさせ、中旬には可決、参院に送りたいとしています。しかし、共同通信が26、27日に実施した世論調査によると、反対が50.6％、賛成は35.9％、慎重審議を求める意見は82.7％を占めています。拙速な審議を行うことには断固反対です。　

　国には、秘密は避けがたく存在します。そうであるならば、公文書管理法や情報公開法を整備し、一定の現在進行中の情報については秘密とすることを認めるものの、一定期間経過後には必ず情報を明らかにし、事後的な検証を行える仕組みをつくるべきです。今回の法案は、秘密指定解除後の文書の取り扱いや保存について触れられていません。今回の法案は、制度設計として、まだ詰めるべき点が多々あります。　

　同時に、行政が秘密とした判断が妥当かどうかを、司法が判断し、行政の恣意的な運用を防ぐ仕組みの整備も必要です。そのため、民主党は、情報公開法の改正案を提出しました。先走る政権に待ったをかける野党第一党の矜持を示します。（了）

 

スタッフ日記「一緒に夢を見よう！」　
　私は関西の人間ですから、ご多分に漏れず阪神が大好きです。しかしながら今年は何とも消化不良の年でした。前半は好調だったのに、折り返しの頃には目も当てられないほどの大失速で、結果的に巨人の独走を許してしまいました。2位で出場したはずのクライマックスシリーズでも3位の広島に2連敗して敗退する始末でした。

　そんなていたらくに「これで今年の野球は終わりだなあ」、と寂しい気持ちになっていたものの、大リーグでの上原の大活躍や、日本シリーズで田中将大を擁する楽天が巨人相手に五分五分の戦いを繰り広げているのを目の当たりにして、やっぱりまた血が騒ぎ始めました。　

　また、野球だけではなく、オリンピックやフィギュアスケート、ゴルフ、テニス、駅伝など「スポーツの秋」というだけあって、ここ最近はスポーツの話題をよく目にします。　

　奈良でもサッカーの奈良クラブのJ3入りを目指し、ホームグラウンドである鴻池陸上競技場を改修する計画が持ち上がっているそうです。　

　これまで事務所全体で応援してきたので、何とか頑張って欲しいな、と思っていた矢先、その奈良クラブがJ1の川崎フロンターレとアドバイザリー契約をしたという大きな知らせが飛び込んできました。これにより、クラブを通じた街づくりや地域活動の仕方、クラブの運営方法など、色々なアドバイスを受けることが可能になるそうです。　

　川崎市のある神奈川県は他にも横浜マリノス、ベルマーレ平塚など複数のサッカーチームを抱えており、中でも川崎は以前はヴェルディ、今はフロンターレとJリーグ発足当時から有名チームが拠点にしてきた街です。ぜひたくさんのことを学んで、奈良県初のプロチームへ、一緒に夢を見たいです！（スギ）