第611号 年金改革私案をつくる 

2013年10月26日 (土) ─

 来春の消費税率引き上げが閣議決定され、消費税の使途である社会保障の改革も今国会での重要な論点です。国会論戦に向け、現在、社会保障改革の私案作成に取り組んでいます。

◆民主党案の課題 
 社会保障、中でも年金改革は、民主党の1丁目1番地の政策です。党の年金改革の原則は、「一元化」と「最低保障」です。一元化とは、職業が変わっても同じ一つの年金に加入できる制度、最低保障とは、老後の生活を支える年金の最低保障機能の強化を意味します。 

 非正規雇用の増加等、働き方が多様化する中、働き方で区別されている年金制度を、働き方に関わらず一つの制度に加入することとして、多様な働き方を可能とする社会保障制度とする必要があります。さらに、OECDの調査で、日本は高齢者の貧困率が非常に高いことが指摘されています。これらの背景を踏まえれば、民主党の年金改革案の方向性自体は、時代の要請に適ったものと考えます。 

 しかし、「移行に40年もかかる」等、現行制度からどのように、理想とする制度にスムーズに移行させるのか、その現実的な方法についての議論を詰める必要があります。今回の私案作りは、その課題に取り組むことを出発点に据えています。

◆年金一元化は段階的に 
 私の制度改革のイメージは、一足飛びの抜本改革ではなく、段階的な改革です。現行制度が存在する以上、それを前提に、いくつかの段階に分けて理想とする年金制度に、現行制度を近づけていくことが現実的です。 

 年金一元化への一里塚は、短時間労働者への厚生年金の適用拡大です。民主党政権では、昨年の法改正(施行は2016年)で、1週間に20時間以上等の条件を満たす短時間労働者について、厚生年金の適用拡大を行いました。これは一つの前進ですが、改正による対象者数は、25万人にとどまり、数百万人いる短時間労働者の数に比べると小さ過ぎます。改正法には3年以内の見直し規定も付されており、今後は、事業主負担等との兼ね合いを踏まえつつ、スピード感を持って対象者を拡げていくべきです。

◆年金の最低保障機能の充実 
 最低保障機能の充実の観点からは、年金未納高齢者への対策、さらに、その予備軍とされる低所得の若年者への対策が重要となります。低年金となっている高齢者には、民主党政権で、福祉的給付(上限5万円の支給)の制度をつくり、対策を行いました。今後は、この制度を工夫することで、基礎年金を最低保障年金に実質変形していくことなどが考えられます。 

 また、低所得の若年者については、現在、保険料納付の猶予制度がありますが、10年以内に保険料を追納しなければ、年金額には反映されません。実際、保険料が追納されないケースは相当数に上ると予想されます。この場合、将来、低年金に陥ることになります。このため、保険料の「免除」制度の場合と同様に、追納を行わなくても国庫負担分については、将来もらえる年金額が増えるような仕組みを検討すべきと考えます。 

 非正規労働者をカバーし、低所得者にも一定の手当を行う、その方向性を踏まえ、現実的な改革案をまとめていきます。(了)

 

スタッフ日記「奈良フェスタ in 上野公園」 
 今月13日、東京奈良県人会若手の会と奈良県東京事務所の共催で「奈良フェスタin上野公園」があり、私も鹿せんべい飛ばし大会の記録係のお手伝いをしました。 

 これまで何度も奈良に行っていますが、実は鹿せんべい飛ばし用の顔ほどもあるせんべいを見るのは今回が初めてでした。そりゃそうだよね、小さいせんべいだったらそんなに飛距離がでないもんね、と思いながら私も一度チャレンジしてみました。しかしながら力みすぎたか、投げる瞬間に手元でせんべいが割れてしまってThe End。意外と難しかったです。 

 鹿せんべい飛ばしは大盛況で行列ができるほどでした。風の流れやタイミングもありますが、大人や子供などはあまり関係なく、やわらかくスッと飛ばすと良く飛ぶようです。優勝は22m飛ばした男の子でした。副賞は鹿の角のオブジェ(持ち帰るのが大変そうだった…)と「ぜひ奈良に来てくださいね」と奈良泊のペア宿泊券でした。 

 多くの方に奈良を知ってもらいたいという思いから始まった今回の企画。奈良のご当地ゆるキャラが大集合してのショーや紙芝居、興福寺寺僧さんによる講話、宝蔵流楯術や柳生新陰流兵法の演武があったり、ブースでは奈良から運んだ朝どれ野菜や革製品にそうめん等が並んでいました。特に柿と柿の葉すしはあっという間に完売してしまい「次はもっといっぱいもってこなあかんな~」と嬉しい悲鳴も出ました。 

 奈良出身で、関東で頑張るみんなが郷里をもっと知ってもらおう、奈良を盛りたてていこうと色々な取り組みをしています。奈良フェスタを東京でまた出来るようにまぶち@国会も応援していきます。(チョロ)

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