第598号 参院選の敗因とこれから
参院選の厳しい結果を受けて、連日、党本部で敗因の分析と今後の対応を協議しています。また、選挙総括の議論も必要ですが、いずれにせよ厳しく自己改革の自覚を持った体制の構築が急がれます。
◆大敗の要因
敗因は2つ考えられます。
1つは、下野してから半年間、まだ民主党が生まれ変わることができていないとの有権者のいら立ちを助長した党内ガバナンスの欠如です。象徴的だったのが、選挙公示2日前に2人の候補者を1人に絞った東京選挙区の調整です。民主党は複数の政党が一緒になってできました。そのため、支持層、支持団体も違い、本来、相当丁寧に合意形成を図らなければなりません。公示直前に急遽、公認候補を一本化しても候補者調整とはいえません。結果的に分裂選挙になってしまいました。また、元代表による分裂選挙を助長する行動もそのことに拍車をかけました。マネジメントのあり方が変わっていないと評されても仕方がないと思います。
もう1つは、争点設定です。自民党は「衆参ねじれの解消」、「アベノミクスへの評価」、「憲法改正」などといった複数の争点を事前に打ち出し、土俵作りを有利な方へと展開していきましたが、民主党はそれに対して完全に受け身に回ってしまいました。相撲にたとえるなら、与党である自民党は横綱で、野党の民主党は十両です。挑戦者として自分の得意技を磨き、それで闘うしかなかったはずです。それなのに、社会保障、子育て支援など民主党の強みとする政策を争点化する取り組みが十分できていませんでした。
◆党建て直しに向けて
一方で、選挙応援で全国を飛び回っている中で、民主党に踏みとどまってほしいという声を数多く頂きました。「非自民」、「リベラル」、「穏健保守」、「中道」の受け皿になってほしいという声は確かに存在します。有権者は民主党を見捨てた訳ではないと思っています。
民主党は今がどん底です。だからこそ、私はここからが勝負だと考えます。
まず着手すべきは、地方組織の立て直しです。次期衆院選で候補者となる総支部長を見直し、各都道府県連を立て直す、地域から出直すところから改革を始めるべきです。
与党が圧倒的な数を握る結果となり、今後の国会対応は難しいものとなります。しかし、2009年の郵政選挙で大敗した後は、若手が国会論戦の最前線に次から次へと出て行きました。私も当時、当選2回の議員でしたが、予算委員会の質疑に立ち、耐震偽装問題を厳しく追及しました。今回も再度そういう形を作らなければなりません。安倍政権は、今後、社会保障制度改革、来春の消費増税を行うか否かの最終判断、財政再建等、どの政権であっても困難な課題に向き合うことになります。国会で野党が論戦を挑むべきテーマは多々あります。
野党の結集も必要です。しかし、政策や理念で一致しなければ、また「民主党はバラバラ」と批判された状態と同じになってしまいます。自民党の国家主義的な発想に立つ政治、既得権益に群がる政治に対し、私達は国民の視点に立ち、既得権益を打破していきます。国民視点の政治と既得権打破、それが野党結集の旗印になるはずです。(了)
スタッフ日記「ヨコハマです!」
参院選応援のため、奈良に入りました。
結果を残すことは出来ませんでしたが、多くの方に支えられて最後までやり遂げられた事を心から感謝いたします。
奈良に来て初めての人と自己紹介をすると必ずと言っていいほど出身地を聞かれます。
時間がないときは「東京」などと答えることもありますが、大概は正直に「神奈川県です」と答えています。
ただ、私の実感として「神奈川県」というのはあまり印象の強い県ではないようで、大概は「へえ…」という反応とともに会話がぼんやりと途切れてしまいます。奈良だったら「大仏!」とか「シカ!」などと言って話も盛り上がるのでしょうが、東京と富士山に挟まれながら、悲しいかな我らが神奈川県は大きな目玉もないまま埋没している感が否めません。
それでもたまに猛者がいて「神奈川」と言うと「横浜?」と返してくれることがあります。実はこの横浜がクセモノなのです。
横浜市出身の人は出身地を聞かれても「神奈川です」とは絶対に言いません。必ず「ヨコハマです!」と胸を張って答えます。おそらく神奈川県よりもオシャレな海の街・横浜の方が通りがよい事を肌で感じているのでしょう。
ですから、私たち「非・横浜」の神奈川県民にとってはどうも横浜は神奈川だとは思えません。横浜は「ヨコハマ」。ちょっとした嫉妬も覚えつつ、横浜市がなければ神奈川県はにっちもさっちも行かなくなるのだろう、と考えると邪険にするわけにもいかない、そんなフクザツなキモチを持っています。
みなさんは神奈川県についてどんな印象をお持ちですか?(シズ)