第594号 福島原発の地下水を止めろ 

2013年6月15日 (土) ─

 福島第1原発の建屋に地下水が流入し放射性汚染水が増え続けている問題で、先月末、経産省の汚染水処理対策委員会が、建屋周りの地中の土を凍らせて壁を造り地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」が有効とする報告書をまとめました。

◆地下水流入対策 
 福島第1原発は、阿武隈山系から海へ流れ出る地下水脈の下流に位置し、現在も建屋内に1日400tの地下水が流れ込み、大量の放射性汚染水が発生しています。増え続ける汚染水の問題は、廃炉を進めていく上で最も深刻な課題であるにもかかわらず、これまで東電の対応は、根本的対策足り得るものではなく、かつ、これまで経験がない事象にもかかわらず、予定する対策が全て機能する前提で計画が策定されてきました。 

 私は、経産委員会で、3月、4月とこの問題を取り上げ、地下貯水層からの汚染水漏れや海洋汚染等、地下遮水壁の設置に消極的だった東京電力の対応のまずさや経産省の責任を事実やデータに基づいて追及し、大臣の方針転換答弁を引き出してきました。4月の大臣答弁後、経産省内に汚染水処理対策委員会が設置され、そこで今回の報告書がまとめられました。

◆遅すぎた決断 
 建屋の周りの地中に地下水を止める壁(地下遮水壁)を設置する案は、事故直後、私が原発事故収束担当の総理補佐官として検討し、2011年6月には福島第1原発の高線量下の中、国会議員として初めて建屋に入り、バウンダリーと呼ばれる境界線を決定し、実施がほぼ固まっていました。しかし、同月の内閣改造により私が政府を去ると、その案は覆され、東電は、地下遮水壁ではなく、地下水バイパス(地下水上流に井戸を掘り、そこから地下水をくみ上げ、原発を迂回させる案)を採用しました。しかし、これまで質疑で問題提起してきたように、地下水バイパスでは、全ての地下水の流入を止めることは困難であり、根本的な解決にはなり得ません。今回の報告書は、当時から2年経った今、ようやく地下遮水壁の設置という結論を導き出したものですが、私が総理補佐官を退任した後、2年もの間棚上げされ、今ようやく動くことに、自らの質疑で動かした自負がある一方、忸怩たる思いがあります。

◆凍土遮水壁の妥当性 
 報告書で本命とされた凍土遮水壁は、地下の配管がある場所でも配管ごと凍結させ遮水できるため、遮水壁で囲う面積が小さくてすむ等の利点がある一方、報告書自身が認めるように「世界に前例のないチャレンジングな取組であり、多くの技術的課題もある」ものです。考えられる課題として、凍結させようとする土壌に異物や構造物がある場合等、技術上の理想状態とは異なる条件下で、本当に期待通りの遮水性を発揮できるのか、凍土遮水壁が流入する地下水圧に耐えられるのか、これまでの最長の運用実績が2年数か月に過ぎない凍土遮水壁を長期運用する場合の技術的課題、作業員の被ばくの最小化などが挙げられます。私が総理補佐官時に検討したベントナイトスラリーウォールという施工方法との比較も含めて今後詳しく検証し、国会質疑等を通じて政府・東電を正していきます。(了)

 

スタッフ日記「断捨離実践中」 
 壁側を統一家具ですっきりと纏めようと、先日思い切って家具を購入しました。 

 これまではその時々に応じて必要な家具を揃えてきたのですが、だんだんとごちゃごちゃしてきて、嫌気がさしてしまったのです。 

 ゆっくり買い物をする時間を作らない私は、家に届いた通販カタログで家具選び、奥行きがない方が部屋を広く使えるなぁと考え、奥行き36cmのチェストを購入。これで収納率UPだ!と思いきや、なんとこれが意外と入らない。物はいいのだけれど、どうしよう。 

 仕方がない、とにかく仕分けだ!もう必要のないものはどんどん整理しよう!と思い立ったのはいいのですが、モノがなかなか捨てられずにため込む一方だった私には相当大変な作業になりそうでした。 

 しかし、家族の為にも快適空間を作らなきゃと気を引き締めて「これは要る、これは・・・うーん!いらないっ!」と仕分けをしたら、何といらない物がごみ袋で8袋にも! 

 すると、捨てられる自分に気分がすっきり。まさしく断捨離の極み。 

 断捨離とはヨガの「断行(だんぎょう)」「捨行(しゃぎょう)」「離行(りぎょう)」という考え方から、人生や日常生活に不要な物を断ち、また捨てることで、物への執着から解放され、身軽で快適な人生を手に入れるという考えで、単なる片づけとは一線を引くものです。 

 ちなみに、何でも物を捨てたがる人のことを「捨て魔」と呼ぶそうで、これはうちの旦那に当てはまります。という事で、我が家の大掃除は当分続くことになりそうです。(チョロ)

第594号 福島原発の地下水を止めろ