第593号 電力改革への覚悟を問う 

2013年6月8日 (土) ─

 5日、衆経産委員会で電気事業法改正案の質疑に立ちました。今回の電気事業法改正は、民主党政権下で検討を行ってきた、①送配電網を広域的に運営するための機関の設置、②電力の小売全面自由化(参入自由化)、③電力会社の送配電部門の別会社化(法的分離)の3つを柱とする電力システム改革の一環です。

◆電力の小売全面自由化 
 電力システム改革の柱の一つである電力の小売自由化については、2000年以降、段階的に実施されてきており、現在では、家庭等の小口顧客を除いて、電力量の62%が自由化されています。これにより制度上は、工場、デパート、オフィスビル等の大口顧客は、大手電力会社以外の新規参入事業者や別の地域の電力会社から(例えば中国電力管内のスーパーが九州電力から)電力を買うことができます。 

 しかし、このように電力量の62%が自由化されているにもかかわらず、大手電力会社以外の新規参入事業者のシェアは、数%にとどまり、競争は活性化していません。今回の改革により、これまで自由化されていなかった家庭等の小口需要も小売自由化の対象となり、制度上、電力をどの事業者から購入するかを消費者が選べるようになりますが、これまで競争が活性化されてこなかった理由について対処しなければ、新規参入が進まず、本当の改革は実現できません。

◆交付金規則の壁 
 大手電力会社に代わって電気を売る新規参入者のシェアが伸びない理由の一つに、新規参入事業者が売るための電気を調達することが難しいということが挙げられます。新規参入事業者は、自前の発電所から電気を送るのに加えて、変動する需要に応じて、発電事業者や卸電力市場から電気を調達する必要があります。しかし、売電に応じる発電事業者の数や卸電力市場での取引量が限られており、顧客の需要があっても、売るための電気を調達するのが難しいという状況です。 

 そこで注目されるのが、全国26の自治体が経営する水力発電所(公営水力)です。水力発電は発電量が安定している等の理由から、電気を売る側にとっては非常に魅力的な電源です。しかし、現状、地方自治法上は一般競争入札が原則であるにもかかわらず、多くの自治体は、随意契約で大手電力会社との売電契約を結んでいます。その背景には、長年に渡る慣行に加え、発電所のある自治体に配られる「電源立地地域対策交付金」の交付規則の存在があります。交付規則により、交付対象が、大手電力会社に電力を供給する場合に限られており、自治体が売電先を新規参入事業者に切り替えると交付金がなくなるという構造になっています。

◆大臣の方針転換答弁 
 交付規則は、告示として定められており、所管大臣の判断で変更が可能です。質疑では、以上のような問題状況を明らかにし、大臣に判断を迫りました。大臣からは「必要な見直しを検討」、「長々と検討を続けるつもりは全くございません」との方針転換答弁を得、質疑前日夕方に出張先の福岡から帰京しそのまま徹夜で臨んだ質疑を終えました。(了)

 

スタッフ日記「たくさんの方々の支えがあってできること」
 5月5日、長島茂雄さんと松井秀樹さんが国民栄誉賞を受章されました。特別番組で松井さんの子供のころのエピソードを観ました。松井さんは子供のころから毎日かかさず素振りを続けてこられたそうです。 

 その番組では、加賀に移り住んだ画家の硲伊之助(はざまいのすけ)さんの「努力できることが才能である」という言葉を座右の銘にして、松井さんは常に努力を続けてこられたと言っていました。その時、私の頭の中に代議士の姿が浮かびました。私にとって代議士はまさに「努力を続けている人」そのものだからです。 

 そういえば代議士の座右の銘は「不易流行」(変わらない本質的なものを忘れない中にも、新しい変化を重ねているものを取り入れていくこと)。 自分らしくあるために成長しようと努力しているのですね。 

 このまぶちニュースも、代議士が浪人時代から変わらず続けていることの1つです。週に1回発行していて、もう少しで600号になります。 

 でもまぶちニュースが継続して発行できているのは、代議士1人の力だけではありません。原稿を書く人(代議士)、印刷する人、配ってくださる人、読んでくださる人がいるおかげなのです。 

 どれか1つでもかけてしまったら続けていくことはできません。いろいろな方々の支えがあって続けることができているのです。 

 もしこのニュースをお読みの方で、ポスティングをご協力いただける方がいらっしゃったらありがたいです。私も代議士が変わらぬ姿勢で活動を続けていけるよう、微力ですが支えていきたいと思っています。(まーちゃん)

第593号 電力改革への覚悟を問う