第533号 大阪で、バックアップ!
去る15日、党政調役員会にて、「首都中枢機能バックアップWT(ワーキングチーム)」の中間報告提言が承認されました。これを受けてさっそく翌日、関連所管の前田国交大臣と中川防災担当大臣に提言を提出しました。
今回のWTは、首都直下型地震がいつ起きてもおかしくないという前提で、首都機能が麻痺した時に十分なバックアップ機能を国家として持ちえているかの再検討が必要であるとの考えから立ち上げたものです。政府でも、有識者による検討会議が設置され、行政の中枢機能を中心に「代替すべき機能」や「代替体制のレベル」などが議論され始めました。WTとしても、こうした政府の動きに呼応し、検討結果を党としてまとめ、政府に提言をしました。
◆提言の内容と現状
今回の結論は①首都直下地震等の切迫性に鑑み、首都中枢機能の維持・確保を図るため、東京圏のバックアップ態勢の早急な構築が求められる。②政府の非常災害体制、各府省のBCP(事業継続計画)には多くの問題が存在する。③バックアップ拠点はとりあえずのものとして環境の整っている大阪に実効性を重視したものを整備し、発災当初の体制構築、現地機能の補佐を可能にした上で、現地対策本部との連携を図る。④官邸機能が移転可能な大がかりな拠点は複数の地域に分散した形で適宜整備していく、としました。
現時点での政府の緊急災害対策本部の設置場所は、①総理大臣官邸危機管理センター(永田町)②内閣府5号館(霞ヶ関)③防衛省中央指揮所(市ヶ谷)④災害対策本部予備施設(立川)となっています。①②③は首都直下型地震の影響を受けるため発災時に同時被災する恐れがあります。一方立川は立川断層の上にあり、プレート型地震である首都直下型地震の影響を受けにくいと言われています。そのため、首都機能が壊滅状態になった際の備えとして立川に期待される役割は大きいはずなのですが、調査の結果、BCP体制が整っているとは言い難い状況が判明しました。
また、調査により各府省のババックアップ体制の不備が相当深刻であることも明らかになりました。例えば、非常時の職員の召集状況については、参集見通しの立っていない府省や、参集要員が誰一人被災をしていないという想定の府省など、枚挙にいとまがありません。
◆行政の責任として
東日本大震災から1年が経ち、首都直下型地震の懸念が高まる中、WTとしてこうした状況に改めて具体的な施策を示す責任があります。そこで、現状をふまえ、さらに現時点での首都圏のバックアップ体制が十分でなく、早急に整備が求められることも考慮して、緊急災害現地対策本部に指定されている10の地域のうち、大阪をバックアップ拠点として定める、としました。もちろん大阪についても近畿圏直下型地震、三連動地震(東海・東南海・南海連動型地震)や津波災害等の自然災害の可能性を想定して、同じような要件を満たす地域をバックアップ先として順次確保していかなくてはなりません。
今回の提言はあくまでも中間報告ですが、いかなる場合でも首都中枢機能が保てるような対策が必要なことは言うまでもありません。東日本大震災の教訓は、災害に上限なしであり、二度と「想定外」と国民の期待を裏切らないことが求められていることを忘れてはなりません。(了)
スタッフ日記「花粉の季節がやって参りました」
スギ花粉症の季節です。この時期になると、マスクをしたり、鼻をずるずるさせながら歩いている人を多く見かけます。
花粉症はもう「国民病」と言ってもよいくらいですが、昭和40年代にはまだ奇病扱いだったようです。漫画で「花粉病という不治の病にかかっていて、結婚できません」とヒロインがさめざめ泣きながら告白をするという、今では考えにくいような悲劇のモチーフにされることもあったらしく、たった40年かそこらでずいぶんと知名度を上げたものだなぁ、と妙な感心をしています。
かく言う私も例年は目がショボショボするくらいだったのですが、今年に関しては鼻づまりがひどく、自然と口をあけて眠るので、のどが渇いて夜中に起きる、という寝不足の日々が続いています。
そんな中、同じく花粉症のインターンN君に聞かれました。「奈良ってスギが多いんですよね。花粉症の人、やっぱり多いんですか?」そう言われてみると確かに気になります。吉野杉は有名ですし、大切な特産品ですが、確かに花粉症の人にはたまらないでしょう。
そんなわけで代議士に聞いてみたところ、「あれは、都会病や」とバッサリ。代議士自身も奈良で育った子供時代は花粉症とは無縁だったのに、東京に出てから症状が出始めたとの事で、都会の汚れた空気や化学物質、ホコリと花粉が混ざることで引き起こされるんじゃないか、と理系出身らしい分析をしていました。
なるほどね、と少し納得、かなり安心しました。 (シズ)