第531号 日銀新時代となるか!?
先月14日、日銀が実質のインフレ目標設定とさらなる量的緩和を発表しました。目標値を1%とし、物価安定の「理解」から「目途」へと表現を変えただけに留まらない事は、直後の円安・株高という市況を見れば明らかです。
そして、ここで手を緩めずにさらなる円高・デフレ対策を求め続けなければならない!と、円高・欧州危機等対応研究会では新たに提言をまとめました。
1.インフレ目標政策の明確化・強化
(1)日銀政策委員会審議委員2名の候補者リストの提示
(2)候補者の議院運営委員会での所信表明
(3)インフレ目標値の2%超への引き上げ
2.金融政策における「雇用」の位置付け
「物価の安定」を「『雇用の最大化(失業の最小化)を含む、経済面における国民生活の安定的向上』の実現のため、最適な物価の状況」と定義して閣議決定により政府の正式見解とする。
3.アコード同等の意味を持つ定例会議の設定
「総理・日銀総裁定例会談」等の定時開催を通じてアコード同等の強力な連携を推進する。
4.物価指標の国際標準化
「食品・エネルギーを除く総合」をマクロ経済運営の中心的指標とし、これをコアCPIと位置付けて物価指標を世界標準化する。
5.さらなる追加緩和、QE-EPOCH(新時代緩和)の断行
(1)3月の金融政策決定会合でQE-EPOCH(=インフレ目標を含む本格的金融緩和)を行う
(2)「資産買入等の基金」拡大に応じた日銀のバランスシート拡大を政府がチェックする
(3)長期買いオペは、新発債など償還までの残存期間が長いものに限る
以上の提言は、党に対しては3月1日に前原政調会長へと提出いたしました。党の政策調査会でも円高デフレ対策特別チームが結成され、本格的な対応策が議論され出したところですが、私達はいち早くこの問題に真摯に取り組み、提言を作ったものです。翌2日は、日銀西村副総裁へと提出して参りました。
日銀がこうした議員有志の提言を直接受領するというのは極めて異例のことです。そもそもは白川総裁への手交を求めたものでありますが、残念ながら海外出張ということで西村副総裁へ手渡すことになりました。
副総裁は開口一番「我々も想いは同じです」と語られました。日銀役員もデフレからの脱却に対しての強い世間からの要望を、肌で感じ出しておられるのかもしれません。少なくとも16年の長きにわたったデフレを放置してきた責任は感じて頂かなければなりません。
今回の提言で、実は日銀にとって最も厳しいものは4月4日に任期満了となる審議委員の候補者リストの提示です。従来であれば、いわゆる「財界人枠」とされてきた委員の選定について、デフレ脱却のための金融緩和政策並びにインフレ目標設定を強く主張する「候補者」の提示は、日銀の意思決定の中枢にかかわるものでもあり、相当のプレッシャーになるものです。私達はこれを提言の第一番目に据えました。
決定は、日銀法23条に「両議院の同意を得て、内閣が任命する」とされており、最終的には総理の判断によりますが、日銀が政府と共通の目標を持ちうる大事な機会なので、大いに期待したいものです。 (了)
スタッフ日記「鍛錬」
はじめまして。私は奈良事務所でインターン生として活動している大学生です。
私は、現在は趣味程度ですが、高校のときから弓道をしています。よくアーチェリーと混同されてしまいますが、日本の、古式ゆかしい、袴を着てする方の弓です。
弓道をして身についたのは、やはり精神力でしょう。動体視力という意見もなきにしもあらずですが、そう言ってしまうと話が結論に向かわないので、ここは精神力と言っておきます。
武道である弓道は、何と言っても礼儀に厳しいです。座り方から、道場に入るときは右足、出るときは左足、なんて細かいところまで決まっています。また、離れたところにある的を狙うので、集中力を必要とします。疲れが眠気に直結するほどです。
そのように鍛錬してきた精神力ですが、最近思わぬところで役立ちました。それは、奈良事務所が行っている、この「まぶちニュース」の早朝の駅での配布時です。正確に言うと、ニュースを差し出して、受け取ってもらえなかったときです。連続だとかなり心が折れます。それを精神力で耐えるというわけです。
私たちインターン生は、期間が決まっていますし、他の予定がある日はお休みできます。ところが秘書の方々は、土日以外毎日、前日深夜まで残業していても、ニュースを配ってらっしゃいます。その継続的な努力が代議士の活動を支えているのだ、わたしはそのお手伝いをさせて頂いているのだと思うと、力が入ります。残りのインターン期間も頑張りたいです。(さっしー)