第518号 公務員人件費削減
ここのところ増税議論が盛んですが、その前に公務員人件費を削減すべきとの声が多く聞かれます。民主党は政権交代時、公務員人件費の2割削減を訴えてきましたが、まだ実現していません。人事院の勧告により国家公務員給与が規定される制度上、削減には人事院の廃止を含め様々な法改正が必要となります。残念ながら「ねじれ国会」で与野党が折り合わず、決着は見送られましたが、間違いなく今国会で最も注目された議題でありました。
◆代償機能と公務員四法案
日本の公務員は、労働三権が制限されています。そのため、その代償機能として政府から独立した第三者機関の人事院があり、公務員の給与や待遇について勧告を行っています。民主党は人事院制度の廃止、公務員人件費の削減と併せて公務員への労働基本権のうち協約締結権の付与について前向きな姿勢をとってきました。今国会では、公務員制度改革関連四法案を提出し、人事院を廃止して新たに公務員庁を設置、労働協約締結件を認め、さらに幹部人事の一元化を進めようとしています。
しかし、野党は人事院は廃止せず、今まで通りの人事院勧告を実施すべきと主張しています。これは、人事院勧告を実施せずに給与削減を行って、さらに労働基本権の一部でも公務員に付与すると、組合の力によって賃金が逆に上げられるとの危惧によるものです。一方、引き合いに出された労組の連合は人事院勧告を実施し、かつ給与を削減することが常態化すれば、本来の労働基本権の代償措置である人事院制度そのものが形骸化し、給与引き下げが際限なく行われるのではないか、という危機感を持っています。今年の人事院勧告は給与については年間平均0.23%のマイナスです。一方で政府提出の給与削減法案は平均7.8%のマイナスです。民主党も野党も7.8%削減については合意の可能性を探っていたのですが、人事院勧告の0.23%削減を実施した上でなのか、そうでないのかが焦点となり、こう着してしまったのが今国会の結果です。
◆民間は身を削っている
こうした政治の場での論争は、結局のところ、公務員人件費削減という、国民からすると当たり前の視点を置き去りにした権力闘争に見えてしまいます。震災による景気への影響だけではなく、長期のデフレにあえぐ日本経済の真ん中で努力している民間事業者は、それこそ血の滲む思いでコスト削減を行い、人件費までもその対象としています。こうした市井の現状からかけ離れたかのような議論は、大変残念でなりません。もちろん、認識が立ち遅れていると指摘されたに等しい02年のILO(国際労働機関)による日本政府への「公務員の労働基本権制約の見直し」勧告も国際社会の中での秩序と、先進国という立場から重く受け止めなくてはなりません。
しかし、国民に増税を訴えるのであれば、国会議員の定数削減と、公務員人件費削減は大前提のはずです。私自身は、従来80の議員定数削減を唱えてきましたが、併せて公務員制度改革は何としてでも実現すべき課題だと認識しています。天下り根絶も含め、公務員制度改革を先送りしてはならないのです。歳出削減努力を、まず永田町と霞が関から実施していくことが最も求められていることなのです。(了)
スタッフ日記「大忘年会」
先日、毎年恒例になっている大忘年会を開催致しました。
いつもはシビックミーティングの後に行われますが、今年は代議士本人の都合がつかず、大忘年会だけの開催となりました。参加人数が少ないのではないかと心配していましたが、80名もの方々が参加してくださり、にぎやかな会となりました。
何といっても、この忘年会のお楽しみは、事務所スタッフの出し物です。
今年は、一昨年大好評だった大仏シリーズの第2弾。紙芝居、映像を織りまぜながら舞台所せましとスタッフが登場する出し物となりました。仕事の合間に小道具を作り、音や映像を見ながら読み合わせの練習するのですが、これがなかなか息が合わず、言葉を短くしたり長くしたりと苦労の連続でした。何度もシナリオを書き直し、それぞれがアイデアを出しあい、本番前日はメインの仕事が忘年会の準備となるくらい、出し物にかける意気込みにはすごいものがあります。
代議士はいつも練習できないのでぶっつけ本番になるのですが、誰よりもその場の雰囲気を感じ取り、会場の空気を馬淵色に変えてくれます。今年も最後の演説は演技とはいえ迫力があり、内容も感動あり、笑いありの素晴しい出し物になりました。参加された皆様も楽しんでくださったようで、スタッフ一同ホッとしています。
今年初めて参加したお松は「まさか出し物にこんなに力を注ぐとは」とビックリしていましたが、代議士がすかさず「何言ってんだ、どんな事にも全力投球するのが馬淵流だ!」と本気で熱くなっていました。忘年会の出し物を一番楽しんでいるのは、代議士本人かもしれませんね。(エバ)