泥舟
2007年7月4日 (水) ─
安倍総理就任に当たり、「まぶちNews」に「安倍内閣の3つの強みと弱み」という記事を載せた。ここでは、記述していなかったかもしれないがまさにそこで指摘してきた弱さが今、露呈している。
安倍総理の強みは、言わずと知れた「若さ」であった。戦後初の戦後生まれの50代前半の総理の登場は、国民に若さの象徴である「新鮮さと力強さ」を印象付けるものであった。しかしながらこの強みは一方で弱みともなる。「若さ」ゆえの危うさが弱みとしてつきまとう。その危うさは発言の「ブレ」となって顕わになる。とりわけ安倍総理の発言のブレは、「靖国参拝」問題や「河野談話」や「村山談話」など総理になる前と後で顕著であった。こうした、トップの発言のブレ幅が広いだけに閣内での緊張感が失われてしまいがちではないか、と指摘したのである。
そして、その後閣僚の問題発言だけでも柳沢厚生労働大臣に久間防衛大臣とたびたび厳しい批判にさらされる場面が続いた。久間大臣は、イラク戦争やブッシュ政権についてはなかば確信犯的に発言されているとさえ感じていた。
そして、とうとう今回の長崎の原爆についての発言。それでも辞任はしないのではないか、総理がかばって守ってしまうのではないか、と思っていただけに少々驚いた。安倍政権内部で、閣僚たちにとってでさえ「不安」と「焦り」が高まっているのを感じる。
泥舟から、逃げ出そうとする閣僚も出てくるだろう。まさに人間が試されるときでもある。
泥舟