官僚用語

2009年12月6日 (日) ─

 役所に来て、アレッ、何か変な感じ...ということの一つに官僚用語というのがある。

 霞ヶ関用語と言ってもいいのかもしれない。どこそこの役所が多用する、などにもよって用語はそれぞれ「○○省語」っぽくなってる(みたい)。

 なんで、変!と感じるかというと、多分一般的には使わないのと同時にその言葉の奥底に「慇懃無礼」なトーンが潜んでいるからだと僕は思っている。決してあからさまに批判や否定はせず、傅(かしず)いて、僭越ですがご助言申し上げる・・・中で実は見下している...みたいな。

 「まいどっ!」、「オゥ、どやねん?!」の市井の商売人の世界で生きてきた僕にとってはけっこう驚きの連続だったりする。「官僚用語の基礎知識」ってあれば政府入りの議員には受けるだろうに。

ちなみに、気になるベストスリーは、
1位:ご指導
2位:立ってられない
3位:日が高い

かな。

 3位の「日が高い」は財務省用語だって教えられたけど定かでない。予算などの調整過程で、いよいよ最終局面、つまり一日に例えると日暮れ時までにはまだまだ時間がある、この場面でそこまでの詰めはまだ早い、なんてことを指すときに「ウーン、まだ、日が高いんではないでしょうか。」などと使う。・・・わかりにくっ!!!

 2位の「立ってられない」は、どこ発の言葉かわからんけど、ものすごくイヤーな感じが漂うやつのひとつだな。

 例えばこれは、「このような予算付けは説明がつかない。それこそ立ってられなくなるんじゃないでしょうか。」とか、「この答弁ではもたない。省として立ってられなくなる」などなど。それこそ、なんで立ってられないんだ、立ってたっていいじゃないか!と突っ込みたくなるような場面で、さも御注進のように言われたりする。

 立ってられなくしてやるぞ!という恫喝にしか聞こえない時さえある。あっ、でも今朝テレビで誰か使ってたな。

 そして、1位。
 「ご指導」!

 これは普通に、「ご指導お願いいたします」と言われるんだけど、この言葉を、連発、多発され、それこそ跪(ひざまず)かんばかりに言われると、「あり得ねぇー...」などと僕なんか思ってしまったもんだ。

 だって、ずっと役所の中で専門家としてやってきた人たち。ずっと指導する立場にいた人たち。あらゆる知見を持って自分たちが進めてきた、背負ってきたとの自負がある人たち。それはそれで素晴らしいことだと率直に思う。だから、別に自負もって臨んでもらえばいいのに、とつい思う。

 なのに、「ご指導お願いいたします」と言われると、どの程度本気の「指導」を求めているのか、と思ってしまう。まだ、議論させてください、の方が正直っぽい気がするんだけど。

 「ご指導」を「お願い」されちゃうと、「よっしゃー、びしびし指導するゾ~!」っと中学の部活の先生のうれしそうな顔が浮かんできて、しごかれるイメージがわくのは僕だけか。

 ま、このように僕にとって非常に不思議に感じる言葉が飛び交うのが、霞ヶ関。

 いつか、「官僚用語の基礎知識」まとめてみんなに配ろうっと。

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