一丸の会緊急提言

2018年7月20日 (金) ─

 通常国会も事実上の閉会日を迎えた。いつもの通りの、内閣不信任案が提出され否決される見込だ。時折ハプニングも生じるが、形骸化した国会運営は、今も続いている。

 国会改革については、既に11年前に民主党が「逆転の夏」をスローガンに勝利した参院選以来、超党派で議論してきた事柄が今もまだ、なかなか実現せずに、現在小泉進次郎議員らの手によってまた、アピールが為されている。本当に遅々として進まない改革には正直いらだちすら覚える。

 さて、国会改革や重要保安の慎重審議、果ては政府のずさんな対応についての行政監視など、指摘しなければならない事柄は山ほどあるが、44名の浪人が集いし「一丸の会」では、17日に月例会を開き、「緊急提言」をまとめた。昨日、野党各党各会派の代表に、この「緊急提言」をお渡ししてきたところである。

 緊急提言は、我々、浪人の立場からは、来年の参院選、そしていつあるかわからない衆院選、そして参院選より前にある統一自治体選にむけて、野党がまとまらなければならない、という訴えを前面に掲げたものでもある。安倍政権の独走を許してきたのは他ならぬ野党であり、私たちこそがその責任を重く受け止め、自らの責任において一塊の野党を創り上げることに全力を尽くすべき、との思いを提言書の形で取りまとめた。

 与党を利するだけのバラバラの野党。そして、お互いがお互いを牽制し合う野党同士。国民不在の国会という姿が、その様子からあぶり出されていることに、野党議員は気づかなければならない。

 一丸の会は、引き続き、野党を大きな塊とすべく、現職議員の皆さんに働きかけていく所存である。ここに、「一丸の会緊急提言」を記す。

 記 
「一丸の会」緊急提言

 現下の我が国の政治は、大災害を横目に国会議員の定数増やカジノ法案の審議を推し進められ、政権の不祥事を隠し通すために官僚組織を巻き込んだ改竄・隠ぺい・虚偽答弁が横行するなど、明治維新以降の近代化で作られた統治機構の根幹が崩壊しつつある危機的な状況にある。

 国民の多くは、こうした現状に不満と怒りを覚えているが、その思いを託されるべき野党はバラバラで、自公政権に代わりうる政治勢力と見なされていないのが実情である。野党が小異を捨てて一丸となり、国民の期待にしっかり応えなければ、我が国はとめどなく転落しかねない。

 先の衆議院選挙で落選し、今は野に在る「一丸の会」メンバー一同は、そのような深刻な危機感を共有し、以下の6項目を緊急提言する。

1.野党間で、来年の参院選を見据え、とりわけ参議院一人区における野党統一候補の擁立に向けた調整を加速度的に進め、各党が協力・協調して候補予定者を支援すること。

2.次期衆院選への出馬を目指す候補予定者が、支持層や支持団体の分断等による難しい状況での活動を余儀なくされていることに鑑み、候補予定者が地元活動に集中できるよう、党派の枠を超えた幅広い支援体制のあり方を政党間で協議するとともに、すみやかに候補者調整をスタートさせること。

3.統一自治体選挙に向け、国政に端を発した野党分裂が地方政治の混乱を招き自治体議員を翻弄していることを認識した上で、候補予定者ができる限り前回同様の幅広い枠組みで応援を受けられるよう、各党が最大限の配慮を行うこと。

4.野党間で、個別の政策の違いをあえて競うのではなく、立憲主義の堅持、国権の最高機関たる国会の機能回復、統治機構の改革等本質的な大きなテーマでの理念と政策を共有すること。

5.野党間で、国会対応における方向性の差異をあえて浮き出させることなく、国対間での連携を緊密化し、安倍自公政権と徹底的に対峙すること。

6.野党間で、安倍自公政権の災害対応、政権不祥事、経済・外交失策等について、共同して徹底した国民運動を行うこと。

以上

一丸の会緊急提言