8月中に地下遮水壁着手の一報

2011年7月16日 (土) ─

 朝のニュースで、今日、菅総理と細野大臣が福島を訪問し、現地の会見で「地下水汚染拡大防止のための地下遮へい壁構築着手」について8月中に行うことを表明すると報じていた。

 やれやれ、と安堵をつく。

 6月17日の工程表見直しに間に合わせるように、東電側に何としてでも8月中の着手とステップ2への記述を求めて連日、検討を進めていたのが6月前半のころ。

 そして6月11日には、福島第一原発で地下壁の境界(バウンダリー)の確認までしに入域してきたのだった。4号機内にまで立ち入り、サイト内での中長期対策チームリーダーとしての責任を果たしてきたとの想いは強い。

 入域後、Jビレッジで東電側とも文書を出して文言の確認まで行い、本社にもその場で電話してもらった。

 しかし、その後の急転直下の状況は、僕の頭越しに起きてしまった。

 あの時は、総会前に云々というへ理屈を出して逃げようとしていたが、今回、さすがに僕が退任してからもしつこく必要性を発信してきたので観念したか...。

 マスコミに問われても、「大丈夫。しっかりと進めると東電は約束している」と答えてきたので、ホッとしている。

 正式の工程表の発表は19日と聞いているが、いずれにしても1か月前に確認して、発表しようとしてきたことが着々と進んできて発表が遅れて今日になるというだけのこと。早まったわけではない。

 あとは、工費について所管省庁を定めて予算化することが求められる。いずれにしても東電は、支援スキームの是非はあるが現時点での自己資金による放射性物質汚染拡大防止策を打つことが困難なのは自明である。

 お金の出し方、出し手の議論はあるが、汚染拡大防止が一刻たりとも遅れてはならないことだけは、明確に訴え続けていく。

8月中に地下遮水壁着手の一報