野党再編のタイムリミットは?

2017年11月20日 (月) ─

 9月28日、民進党の事実上の解党宣言がなされて、結果、バラバラに。喜んだのは与党。これで、当面、与党政権は安泰。そして、解党のはずの民進党、希望の党、立憲民主党の三党が誕生し、それぞれの事情で三すくみの状況となっている。

 本来ならば、大きなプラットフォームになっていなければならないのに、三党のうちのどれかがなくなるか、あるいは、膠着状態が続くのか、といったありさまだ。

 この先、野党はどうなるのか?

 国会議員の間では、再来年の参院選を睨んで、来年の通常国会でイニシアティブを取った野党が再編の中心になるので、通常国会の終盤まで、見極めなければならないとの論を述べる者もいる。しかし、これは、状況認識の誤りだ。

 再来年の参院選は、45都道府県のうち、32も一人区がある。ここでは、自ずと野党が選挙調整を行い、候補者を一本化するインセンティブが働く。したがって参院選だけ見れば、確かに来年の通常国会を見極めて、という動きになると見えるかもしれない。

 しかし、再来年7月の参院選の前の統一地方選は、どうか?これは、そのような候補者一本化のインセンティブなど到底働かない、大選挙区、中選挙区が中心となる。つまり、参院選の前の統一地方選では、三党がそれぞれ、国政の手足となる地方議員を作るべく、躍起になって現職地方議員や候補者の囲い込みを行うこととなる。

 そして、そのタイムリミットは?といえば、通常国会の終わりの6月などではなく、来年の3月いっぱいとなる。

 統一地方選候補者の多くは、支援団体「連合」の推薦を必死になって求めていく。そして、得た、その証たる「推薦」を組織に示していくのが統一地方選までに一年を切って行われるメーデー(多くは4月後半GW初日)だ。

 つまり、多くの統一地方選候補者にとっては3月いっぱいで党の公認を得て、党を支援してくれる連合の推薦を取り付け、メーデーで紹介されるという、「選挙態勢」を整えるプロセスが必要不可欠となる。

 そして、三党がそれぞれ、党本部機能として「選挙調整」を行うのであれば、3月までに終わらせなければならない。つまりは、年内から来年初そして年度末までに連携を模索し結果を生み出すことができなければ、統一地方選候補は、てんでんばらばらに、各党からの囲い込みに直面することになり、それこそ、三党がバラバラに統一地方選候補を擁立すれば、野党による潰しあいが現実のものとなる。

 そうなると、3か月後の参院選は足腰がガタガタの選挙となりかねない。

 野党再編は、実はこうした事情を考えると、タイムリミットは来年の3月末なのである。

 しかし、その機運は低い...。

 当面、与党の高笑いが続く。

野党再編のタイムリミットは?