第829号 「一丸の会」 旗揚げ
このたび、新たな政治団体「一丸の会」を旗揚げし、私が代表に就任しました。
◆「正義なき政治」への憤り
今、森友問題に関する文書改ざん、働き方改革のデータミス、存在しないとされていた自衛隊日報の発見など、安倍政権の下で行われてきた国会審議の根底を覆す事実が次々明らかになっています。もはや安倍政権による「フェイク国会」の様相を呈しており、政治の「正義」は果たされているのか、国民のための政治が置き去りになっていないか、という大きな疑問、憤りがあります。
それでも、世論調査では、政権支持率は急落後、徐々に戻しつつあります。その最大の理由は、野党がバラバラなことであることは明白です。安倍自民党政権に代わり政権を担い得る野党が存在しないため、現政権が消極的にせよ支持を受けているというのが現実です。
今、民進党と希望の党が新党協議を開始すると報じられています。しかし、現職国会議員の間には、先の民進党分裂による拭い去ることの出来ない「わだかまり」が相当残っていることも容易に想像でき、「野党結集」への道は困難を極めることが予想されます。
◆浪士が触媒になり野党をまとめる
私は、だからこそ、野に下り自由な身となった浪々の士である我々が、核となり、中心となり、野党がバラバラの状況を打破して、自公政権と対峙しうる勢力を創るためのエンジンとならなければならないと考えます。
そして、浪士が一丸となって現職の国会議員を突き動かし、恩讐を超えて、広く国民生活を守る政治を実現するという強い意志の下、昨年から議論を積み重ね、連携を取り、この度「一丸の会」結成に至りました。私が代表を務め、参加してくれる浪士の数は30人に上る見込みです。
私は、「一丸の会」結成によって、更に野党を分断することを求めているのではありません。来春に統一地方選、夏に参院選を控える、今、この時にこそ、しがらみの無い浪士の我々が、ひとつにまとまり、大きな塊となって、野党を繋ぎ、政権交代可能な野党を創り上げていくのが役割と考えています。
◆浪人は勝つ!
かつて、藩閥政治に対抗し敗れ、隠遁しながらも自由民権運動の浪士を鼓舞し、自らは再び政権に近づき伊藤内閣で要職を重ね、遂には外務大臣として不平等条約の撤廃など、日本外交の父と呼ばれるまでの功績を残した陸奥宗光は、以下の言葉を残しています。
「苟も進歩変革が社会の常道たる以上は、浪人は常に勝つ、永久に勝つ。浪人の勝たざる社会は滅亡化石の社会なり。勝利は終に浪人に在らん。何ぞ屑々然(せつせつぜん)として藩閥の残肴(ざんこう)冷杯(れいはい)に首(こうべ)を低(た)れんや。」
社会の進歩変革のためには浪人の力こそが必要であり、浪人だからといって権力に頭を下げて余りものを頂くような態度でいられようか!という意味です。もはや、残肴冷杯に首を低れて、目の前の糧に甘んじるわけには参りません。
野にいる今、社会の常道たる進歩変革を信じ、必ずや勝つ!との気概を持って臨むことこそ、私たち浪士の使命であると考え、「一丸」となって闘って参ります。(了)
森ちゃん日記「人口減少策を地域から学ぶ」
社会保障・人口問題研究所が発表した推計から、奈良県の人口推移が2015年時点の136万人から30年後には26.8%減少し、4分の3となることがわかりました。特に県南部の川上村は全国で最も高い減少率で、約1300人から2割程度になるとされています。
川上村では、数年前から地元の仕事と住まいを体験できるツアーを通じて、若い世代にまず関心を持ってもらう事から始めています。吉野川の源流に位置し、面積の95%が森林の同村は、「水源地の村づくり」を前面にPRし、都市にはない豊かな暮らしの提供に力を入れています。特に、一般社団法人吉野かわかみ社中は、吉野林業再生のために2015年に設立され、木材生産(川上)、製材・加工・流通(川中)、販売(川下)までを一貫して行い、持続可能な供給体制と雇用の場を築き上げてきました。
全国的な数値と比較しても、奈良県下39市町村のうち3分の2の地域で30年後の若年女性が50%以下に減る消滅可能性都市とされ、奈良市や増加傾向から4年連続で微減している生駒市にとっても他人事ではありません。
北海道下川町も人口減少が進む過疎地域の一つです。旭川から100kmほど離れた3300人程の小さな街ですが、その地方創世の取り組みが、ジャパンSDGs(持続可能な開発目標)アワードにて本部長賞を受賞しました。川上村と同じ9割近くを森林に囲まれた同町では、植林・育成・伐採を60年周期で繰り返す持続可能な森林経営と、その間に発生した木片を再利用したバイオマス熱電供給が特徴です。公民館や高齢化の進む集合住宅へ熱電供給を行い、浮いた燃料代を子育て支援などに振り分けることで、少子高齢化対策にも繋げています。
今後増えるこうした地域で、限られた資源の中、地域独自のアイデアで施策を講じることが重要なのは当然ですが、同時に、県全体、または政府として行政のバックアップ体制をどのようにするのか、真の持続可能なシステムのための両輪こそが重要だと考えています。今、地方の努力が無駄なバラマキで歪められることのないよう、地方の自主的な裁量で使途を決める事のできる一括交付金制度復活の必要性を強く感じています。